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物価
「物価〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物価の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
と下手《へた》な字で、「一束《ひとたば》四銭《よんせん》」と書いてある。あらゆる
物価が暴騰した今日《こんにち》、一束四銭と云う葱は滅多にない。この至廉《しれん》....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
悼文を書く。 二月十七日 ◯本日よりモラトリヤム施行。 その他関係法令として
物価制限令や隠匿物資供出令なども出る。これにて本当に
物価が下ってくれればいいが、....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
がガチガチと震う。近飢えに、冷い汗が垂々と身うちに流れる堪え難さ。 その時分の
物価で、……忘れもしない七銭が煎餅の可なり嵩のある中から……小判のごとく、数二枚....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
……分っていますからと、鉛筆を軽く紙片に走らせた。 この会計だが、この分では、
物価|騰昇寒さの砌、堅炭三俵が処と観念の臍を固めたのに、 「おうう、こんな事で。....
「土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
あることである。 三 都会的趣味は、一面地方を侵害しては行くが、
物価の高い都会生活では、到底製作出来ぬようなものを、比較的生活費が低いのと、生活....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
いて、これが大層好く売れたものであったそうだ。 昔のことをいえば限りがないが、
物価も今より安かっただけ、いろいろ馬鹿げた事を考え出す者が多かった故か、物売りに....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
が発病してからは彼女の御難時代で、ことに現在では当時の半分しか収入がないうえに、
物価が百倍にもなつたため貯金を費い果し、保険を解約して掛金を取りもどしたりしたが....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
とえその後、米穀法の施行などによって十二三円がらみにまで米価が上ったとはいえ、諸
物価……都市工業の製産品はそれにつれてあくまでも騰貴するので追いつく沙汰ではなか....
「迷信解」より 著者:井上円了
ことと思う。決して今日民間にて行うがごときものではない。病気、災難の予防に用い、
物価相場を前知するの具となすなどは、卜筮の濫用もまたはなはだしといわねばならぬ。....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
上の責任があった。二葉亭の日記に由ると、父の恩給高は十一円であったそうだ。如何に
物価の安い四十年前でもまた如何に小人数でも十一円で一家を維持するというは容易でな....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
考うるを要す。 すなわち、第一に、西洋人は一般に旅行を好むこと。第二に、日本の
物価は西洋より安きをもって旅行しやすきこと。第三に、愉快を得るために旅行するもの....
「西航日録」より 著者:井上円了
他国人を擯斥しあるいは軽蔑するの風の見えざるは、ひとり称すべし。市街の秩然たる、
物価の不廉なる点は米国に類す。要するに欧州中、諸般の上に格別の特色を有するものは....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
舗一丁内に数戸ある等、けだし新開地、新植民地にはこの三者の必要あるもののごとし。
物価は高直にして、英国よりも二割くらい高し。なかんずく酒とタバコは国税のために非....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
は、独占禁止法の精神を無視して、その生産制限の要求を容認しております。その結果は
物価のつり上げとなって現われて来るのであります。この状態を打開するには、それは国....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ない仕事をしてみたいものと商売を物色していたが、ある日、新聞の経済欄に載っている
物価表に目を通すうち 『これだ!』 とひざをたたいたのは石炭屋である。そのとき....