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「物入れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物入れの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
電報」より 著者:黒島伝治
の代になっても、また一生頭が上がらずに、貧乏たれで暮さにゃならんせに、今、ちいと物入れて学校へでもやっといてやったら、また何ぞになろうと思うていない。」と、おき....
初蛙」より 著者:薄田泣菫
ど無理強いに飲み込ませたものでした。 背広服のポケットのように、大切な下っ腹を物入れに使われたのは、蛙にとって全くみじめでした。それにしてもマアク・トエンとい....
道標」より 著者:宮本百合子
たったとき、泰造はふと、いつも眼鏡、いれ歯、財布、時計などを入れて枕もとにおく小物入れの箱を食堂へおきっぱなしにして来たのを思い出した。泰造が階下へおりて食堂へ....
みごとな女」より 著者:森本薫
楽譜を放り出してピアノを離れ、ゆっくり縁側へ出て、又入って来る。机の横に置いた小物入れから作りかけにした衣装人形を取り出し、縁側に行って椅子にかける) 真紀。四....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
たものである。 しかし今日という今日は、犬や兎の屍体はすっかり取り出されて、汚物入れのなかに移されてしまった。ひとまず鞄のなかは、綺麗に洗い清められ、そしてそ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
か何かへ行こうかと思ったが土地の様子も分らずそうやって、話して、それからズックの物入れ、空気枕など買うために又福やへ戻りました。(広島ではメーターの基本が60銭....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
に与える落付きというものをもって居りませんね。一つきりの引出しに手紙道具、右横の物入れになっているところにはノリやメモや本や名簿や家計簿や。 こうしていささか....
虹の橋」より 著者:久生十蘭
「こいつに、まちがいはないんだね」 と念をおした。刑事たちがうなずくと、永田は物入れからペルシャ模様の臙脂色のネッカチーフをだしてきて、それをあさひの前に投げ....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
うで家から追いだそうって言うの?」 「君の靴とボストン・バッグは、車のうしろの|物入れ《トランク》にはいっている」 「ちょっと伺うけど、きょうにかぎって、どうし....
私本太平記」より 著者:吉川英治
がこめている薄暗い奥へこけ転んで行った。 別院とはいっても、ここは別院の書庫か物入れにでもしてあった建物らしい。 高い所に、角な切り窓が一つあるほか、明りの....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
ヤ入りで一番大切にしているもの、私は何という事なしに胸を突かれました。墨塗りの小物入れにも触れたらしく小さい手形がついている、泥に汚れた手で抽斗を開けたのでしょ....