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「物取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
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半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のか、巳之助にもその判断が付かなかった。第一、自分を殴り倒した奴は何者であろう。物取りならば懐中物を奪って立ち去りそうなものであるが、身に着けた物はすべて無事で....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「ここらでも名代《なだい》の貧乏寺さ。いくら近眼《ちかめ》の泥坊だって、あの寺へ物取りにはいるような間抜けはあるめえ。万一物取りにはいったにしても、坊主も虚無僧....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
徳蔵は他人《ひと》から恨みをうけるような男でないから、これはおそらく香奠めあての物取りで、徳蔵が手向いをした為にこんな大事になったのであろうと、足袋屋の亭主は云....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
つかんで飛び出して、けさまで吉原で遊んでいました。金はまったく拾ったので、決して物取りなんぞをした覚えはございません」 お石の甥というだけに、この職人も正直そ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あいくち》で脇腹を刺されたのである。所持の財布の紛失しているのを見ると、おそらく物取りの仕業であろうという噂であった。 浅草の今戸《いまど》には、日本橋の古河....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
倒だから長い台詞《せりふ》は云わねえ。てめえは備前屋のお絹という娘を殺したろう。物取りか、遺恨か、拐引《かどわかし》か、それを云え」 調べる者と調べられる者と....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、飽くまで知らないと強情を張っていたのは、たとい自分に相当の理があるとは云え、物取り同様に相手を手籠《てご》めにして、その紙入れを無体に取りあげたという、うし....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
か、但しは物の間違いでなければならない。しかし今度の殺され方を見ると、どうしても物取りではない、意趣斬りであるらしい。それが自分にはわからないと彼女は云った。 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なった。なんだか薄気味悪くもなって来た。 しかし相手は孱細い娘である。まさかに物取りや巾着切りでもあるまい。文字春は今年二十六で、女としては大柄の方であった。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
をつけられたが、その方面では取り留めた手がかりもなかった。さりとて、それが普通の物取りでないことは判っているので、どうも其の理由を発見するのに苦しめられた。なに....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いはもう問題ではなくなった。これから舞台へ出ようとする少女を絞め殺したのは普通の物取りなどでないことも判り切っていた。大和屋一家に怨みをふくんでいる者の復讐か、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
傷のあとも見いだされなかった。 家内に紛失物もないらしいのを見ると、この惨劇が物取りでないこともほぼ想像された。主人の其月もまだ老い朽ちたという年でもないから....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ないと云うのですから、手がかりはありません。しかし前後の模様から考えると、どうも物取りの仕業ではないらしい。桂斎先生に対して何かの意趣遺恨のあるものだろうという....
慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
。金時計は石に叩きつけて打毀してあり。それらの事実から考えると、どうしても普通の物取りではなく、なにかの意趣らしいという。この鳥打帽の男は宇都宮の折井という刑事....
時勢と道徳観念」より 著者:喜田貞吉
みじき盗賊の語は、むかしの物語物にしばしば繰り返されている。この場合盗賊必ずしも物取りではない。今昔物語「阿蘇史盗人にあひて謀りて遁るる語」に、阿蘇史某が夜更け....