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「物差〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物差の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
思われて、寂しくなったこともよくあった。が、一方またそれが自分の芸術的良心を計る物差しとして、尊《とうと》みたいと思ったこともたびたびある。ただ、それを俗人の穿....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
に乗って近所にある自宅へ昼食をたべに行ったが、豹一が喫茶店から帰って見ると、もう物差を出して、しきりに広告欄の大組みをしていた。 そんな園井の視線を背中に感じ....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
左側の座席に腰を下ろしていたことが判った。そのうえ弾丸の射ちこまれた地点までが、物差で測ったようにピタリと一致していた。大江山警部の頭には、線路を距てて、真暗な....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
あたった。信玄は陣形を十二段に構え、迂廻軍の到着迄持ちこたえる策をとり、百足の指物差した使番衆を諸隊に走らせて、諸隊その位置をなるべく保つようにと、厳命した。 ....
真田幸村」より 著者:菊池寛
った。その頃、薙髪していたので、伝心|月叟と名乗り、大峰の山伏であるが、祈祷の巻物差しあげたいと云う。折柄修理不在で、番所の脇で待たされていたが、折柄十人|許り....
人造人間事件」より 著者:海野十三
てマクレオの名なんか見当りませんよ。それにあいつの目の鋭いことはどうです。彼奴は物差こそ持っていないが、ひと目|睨めば大砲の寸法も分っちまうという目測の大家に違....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
の時のごとく声を揚げて二たび三たび呼ぶとともに、帳内深き処|粛として物を縫う女、物差を棄て、針を措きて、ただちに謙三郎に来りつつ、笑顔を合すが例なりしなり。 ....
盗まれた手紙」より 著者:佐々木直次郎
でもみんな、測られる容積の――空間の――ある一定の量がある。ところで我々は正確な物差を持っている。一ライン(3)の五十分の一だって見おとすはずはない。戸棚のつぎ....
嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
、万事をそれに従ってきりもりしようという主義です。いわばあらかじめ「法律」という物差しを作っておく主義です。ところが元来「物差し」は固定的なるをもって本質とする....
髭の謎」より 著者:小酒井不木
ばかりの血の流れた跡がついていました。 やがて何思ったか、俊夫君はポケットから物差しを出して先生の髭の長さを計りかけました。先生の口髭は立派な漆黒の八の字で、....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
。それは、まだ子供のこととて、羊羹の折を道具箱にしたもので、切り出し、丸刀、鑿、物差などが這入っていた。これが助かったので、後に大変役に立ちました。 何しろ、....
小知恵にとらわれた現代の法律学」より 著者:末弘厳太郎
かというと、それはいわゆる法治主義です。法治主義はこれを最もひらたくいえば一種の物差しのようなものです。あらかじめ法律という物差しをこしらえておいてこれを裁判官....
夜光虫」より 著者:織田作之助
見ると、道子はキッと唇を噛みながら暫く、あらぬ方を見つめていたが、やがて、 「著物差し押さえされました」 本を読むような、表情のない声で言って、ふと、微笑むと....
不在地主」より 著者:小林多喜二
! そったらもの向けてるから、火の神様に罰が当ったんだ。馬鹿!」 姉のお恵が、物差しで自分の背中をかきながら、――「その端なくなってしまえば、ええんだ。」と、....
迷信解」より 著者:井上円了
説くところは日本の人相ほどにはなはだしからざるも、その判断があまり器械的にして、物差しをもって精神を測るがごときありさまなるは、笑うべきの至りである。手相術は東....