物心[語句情報] »
物心
「物心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
らいほんとうだか、確かな事はわからない。ただ、どうにかこうにか、覚えているのは、
物心がついてからのちの事ばかりである。そうして、それがまた、覚えていないほうがよ....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
ななければならないのか。ああどうしても己は死ななければならないのか。
男 お前は
物心がつくと死んでいたのも同じ事だ。今まで太陽を仰ぐことが出来たのは己の慈悲だと....
「或る女」より 著者:有島武郎
切って落としたように、過去というものが大きな一つの暗い悲しみとなって胸を打った。
物心を覚えてから二十五の今日《こんにち》まで、張りつめ通した心の糸が、今こそ思い....
「或る女」より 著者:有島武郎
んと赤土にさしている真夏の日の光を、広々と取った窓を通してながめやった。そうして
物心ついてからの自分の過去を針で揉《も》み込むような頭の中でずっと見渡すように考....
「想片」より 著者:有島武郎
なければ、それはその人の生命のゆゆしい退縮である。マルクスはその生命観において、
物心の区別を知らないほどに全的要求を持った人であったということができると私は思う....
「親子」より 著者:有島武郎
りの男だ。土百姓同様の貧乏士族の家に生まれて、生まれるとから貧乏には慣れている。
物心のついた時には父は遠島になっていて母ばかりの暮らしだったので、十二の時にもう....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
しました。 このように考えますと、今次の戦争は全く互格の勝負ではなく、連合側の
物心両面に於ける甚だしい劣勢が必然的にこの結果を招いたのであります。そもそも持久....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ったことがございましょうか。」 「小児の時に、亡くなった母親が唄いましたことを、
物心覚えた最後の記憶に留めただけで、どういうのか、その文句を忘れたんです。 年....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
、われに笑顔向けたまうは、うつくしき姉上なり。 朝な夕な、琴弾きたまうが、われ
物心覚えてより一日も断ゆることなかりしに、わが母みまかりたまいし日よりふと止みぬ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は人の心を映す種子だったでございましょう! それは丁度絵巻物を繰り拡げるように、
物心ついた小娘時代から三十四|歳で歿るまでの、私の生涯に起った事柄が細大漏れなく....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
味わうべきものがしばしばある。小文吾が荒猪を踏み殺したは鳥越であるが、鳥越は私が
物心覚えてからかなり人家の密集した町である。徳川以前、足利の末辺にもせよ、近くに....
「京のその頃」より 著者:上村松園
にあった家で生まれた。今でこそあの辺は京の真中になって賑やかなものだが、ようやく
物心ついた頃のあの辺を思い出すと、ほとんど見当もつかない程の変りようだ。 東洞....
「妖怪学」より 著者:井上円了
関係を知り、心元は全く無形にして、有形の肉身と全くその性質を異にすることを知り、
物心のほかに一種霊妙の神体ありて
物心二者を支配するものと信じ、一切
物心の変化は、....
「妖怪研究」より 著者:井上円了
に妖怪の性質と種類とを掲記いたし候。 洋の東西を論ぜず、世の古今を問わず、宇宙
物心の諸象中、普通の道理をもって解釈すべからざるものあり。これを妖怪といい、ある....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
リの原因 明治二十年五月上旬著者誌 洋の東西を論ぜず、世の古今を問わず、宇宙
物心の諸象中、普通の道理をもって解釈すべからざるものあり。これを妖怪といい、ある....