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「物故〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物故の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
能勢五十雄は、中学を卒業すると間もなく、肺結核《はいけっかく》に罹《かか》って、物故した。その追悼式《ついとうしき》を、中学の図書室で挙げた時、制帽をかぶった能....
」より 著者:芥川竜之介
たが最後、どのくらい情熱に燃えているかはたいてい想像出来るような気がした。辰子は物故《ぶっこ》した父のように、何ごとにも一図《いちず》になる気質だった。たとえば....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ていた私は、子爵が韓国《かんこく》京城《けいじょう》から帰った時、万一三浦はもう物故《ぶっこ》していたのではないかと思って、我知らず不安の眼を相手の顔に注《そそ....
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
生と云う若い教師が、インフルエンザから来た急性|肺炎《はいえん》で冬期休業の間に物故《ぶっこ》してしまった。それが余り突然だったので、適当な後任を物色する余裕が....
秋山図」より 著者:芥川竜之介
いそう》を経過した後《のち》だったのです。その時は元宰《げんさい》先生も、とうに物故《ぶっこ》していましたし、張氏《ちょうし》の家でもいつの間《ま》にか、三度ま....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
任は既に支倉の訊問半にして斃れたが、当時老練の誉高く事件に活躍した根岸刑事は先年物故した。石子刑事は署長を除くと唯一の現存主要人物なので、裁判長の訊問も鋭く、殊....
死生」より 著者:幸徳秋水
生恥じを晒して居る多くの人々を見るのである。 一昨年の夏、露国より帰航の途中で物故した長谷川二葉亭を、朝野挙って哀悼した所であった、杉村楚人冠は私に戯れて、「....
極楽」より 著者:菊池寛
京師室町姉小路下る染物悉皆商近江屋宗兵衛の老母おかんは、文化二年二月二十三日六十六歳を一期として、卒中の気味で突然物故した。穏やかな安らかな往生であった。配偶の先代宗兵衛に死別れてから、おかんは....
死刑の前」より 著者:幸徳秋水
恥をさらしている多くの人びとを見るのである。 一昨年の夏、ロシアより帰国の途中物故した長谷川二葉亭を、朝野こぞって哀悼したころであった。杉村楚人冠は、わたくし....
虹と感興」より 著者:上村松園
に追われたりして、とうとうまだ描けずにおります。 東京での帝展見物のついでに、物故作家の遺作展を見てまいりましたが、婦女風俗としての絵は殆どなかったと思います....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の劇評家は大抵あとや先に凋落して、いわゆる蓮台座の見物人となってしまった。さきに物故した松居松翁君は二十七年の十月頃から『中央新聞』に入社して、わたしと一緒に芝....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
八兵衛伝」が載っておる。実業界に徳望高い某子爵は素と八兵衛の使用人であって、先年物故した夫人はタシカ八兵衛の遺子であった。) 椿岳は晩年には世間離れした奇人で....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
余り耳触りになるので、「百姓、静かにしろ」と罵声を浴びせ掛けられた。 数年前|物故した細川風谷の親父の統計院幹事の細川広世が死んだ時、九段の坂上で偶然その葬列....
くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
の持つなりといへり。これらは物異なれば名義もおなじからぬにや。 草をもて作れる物故、さる名のあ※なるにや。 とあるを管見に入るの初めとする。これより先文化二....
編輯雑感」より 著者:喜田貞吉
起原沿革については多くの興味を有しておらなかった。いつの事であったか、何でも過日物故せられた東京府知事の井上博士が、まだ内務省の何とか局長であった頃、自分も文部....