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「物置〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物置の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
《あえ》ぎ喘ぎ、主人の家へ帰って来ました。黒塀《くろべい》の下の犬くぐりを抜け、物置小屋を廻りさえすれば、犬小屋のある裏庭です。白はほとんど風のように、裏庭の芝....
或る女」より 著者:有島武郎
しのまま庭に出た。そして次の瞬間に自分を見いだした時にはいつ戸をあけたとも知らず物置き小屋の中にはいっていた。 三六 底のない悒鬱《ゆううつ》がともすると....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
い》った。入口の右手に寝藁《ねわら》を敷いた馬の居所と、皮板を二、三枚ならべた穀物置場があった。左の方には入口の掘立柱《ほったてばしら》から奥の掘立柱にかけて一....
火事とポチ」より 著者:有島武郎
おかあさんまで、大さわぎをして「どこにいました」とたずねた。 「ひどいけがをして物置きのかげにいました」 と人足の人はいって、すぐぼくたちを連れていってくれた....
星座」より 著者:有島武郎
のようだぞ。 「俺の部屋は四畳半で二階の西角だ。東隣りは大きな部屋だが畳を上げて物置になっていて、どういうものか鼠の奴がうんといる。夜になると盛んに遊弋《ゆうよ....
高野聖」より 著者:泉鏡花
まわ》りましても、全くのところ一足も歩行《ある》けますのではございません、どこの物置《ものおき》でも馬小屋の隅《すみ》でもよいのでございますから後生《ごしょう》....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
ンテンレン。 三 片側はどす黒い、水の淀んだ川に添い、がたがたと物置が並んで、米俵やら、筵やら、炭やら、薪やら、その中を蛇が這うように、ちょろち....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
な内、上るにも、踏むにも、ごらんの通り、西瓜の番小屋でもありゃしません、南瓜畑の物置です。」 「いいえ、いいえ、私だって、幾度も、お玄関で。」 「あやまります、....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
に颯と薄紅梅。 九 煙草盆、枕、火鉢、座蒲団も五六枚。 (これは物置だ。)と立花は心付いた。 はじめは押入と、しかしそれにしては居周囲が広く、....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
。穴が開いて、こわれごわれで、鼠の家の三階建のような、取附の三段の古棚の背のね、物置みたいな暗い中から、――藻屑を曳いたかと思う、汚い服装の、小さな婆さんがね、....
黒百合」より 著者:泉鏡花
い遣られると、見るもの聞くもの舌を巻いた。滝太郎がその挙動を、鋭い目で角の屑屋の物置みたような二階の格子窓に、世を憚る監視中の顔をあてて、匍匐になって見ていた、....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
これは初めに小講堂であった室で、その先きに、昔からの実験室がある。その先きに暗い物置があるが、これから狭い階段を登ると、場長の住む室の方へとつづいている。 以....
一寸怪」より 著者:泉鏡花
の門前に一軒、婆さんと十四五の娘の親子二人暮しの駄菓子屋があった、その娘が境内の物置に入るのを誰かがちらりと見た、間もなく、その物置から、出火したので、早速馳付....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
町の河岸を過ぎて、左手に黒い板囲い、※と大きく胡粉で書いた、中空に見上げるような物置の並んだ前を通って、蓬莱橋というのに懸った。 月影に色ある水は橋杭を巻いて....
三枚続」より 著者:泉鏡花
っけ、大通のごッた返す処をちっとばかり横町へ遠のいて明治座へ行こうという麺麭屋の物置の前に、常店で今でも出ていまさ、盲目の女の三味線を弾くのがあります。投銭には....