物見高い[語句情報] » 物見高い

「物見高い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

物見高いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仙人」より 著者:芥川竜之介
な物を肩へのせる、それから、鼓板《こばん》を叩いて、人よせに、謡《うた》を唱う。物見高い街中の事だから、大人でも子供でも、それを聞いて、足を止めない者はほとんど....
銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
れて、昨夜の事件も忘れたように、横町は明るく、ジャズの音に溢れていた。が、流石に物見高い市中のこととて、煙草屋の前には、弥次馬らしい人影が、幾人もうろうろしてい....
天馬」より 著者:金史良
雑沓し、売子達の掛声が喧しく響き返っている。丁度その夜店並びの入口のところでは、物見高い連中に囲まれて白い頭巾をくるんだ百姓男が酔いつぶれたらしく手を振りつつ、....
○○獣」より 著者:海野十三
敬二が○○獣の写真をもって、再び東京ホテルの裏口に帰ってきたときには、そこには物見高い群衆が十倍にも殖えていた。その間を押しわけて前に出てみると、ホテルの建物....
流線間諜」より 著者:海野十三
「イヤそうじゃない。誰かに殺されたんだ。恐ろしい復讐なんだ!」 なにがさて、物見高い銀座の、しかも白昼の出来ごとだから、たちまち黒山のような人だかりとなった....
化鳥」より 著者:泉鏡花
珠を拭いかけた。 これは今までに幾|度も私見たことのある人で、何でも小児の時は物見高いから、そら、婆さんが転んだ、花が咲いた、といって五六人人だかりのすること....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
のような人だかりで、身動きもできぬくらいだった。私は新聞の記事にあおりたてられた物見高い人々が、五年目の再会の模様を見ようと、天王寺へお詣りがてら来ているのだと....
発掘した美女」より 著者:坂口安吾
ャン美人ねえハイチャ、だって。バカにしてるわよ」 「初音サンの態度が悪いからさ。物見高い気持を利巧な彼女に見破られたのさ」 「なにが物見高いのよ」 「まア、止し....
曽我の暴れん坊」より 著者:坂口安吾
おいで」 「コラ、待て。五郎。一命を」 「大切にするよ」 女と五郎は走りだす。物見高い連中が後を追って走りだす。仕方がないから十郎は半分歩いて半分走って、一命....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
名ざしの口てえのはないからね。人殺しがあったてえから、話をききたい人情もあらア。物見高いものさ。昨日今日はウチの前が人ダカリだってネ。あの旦那は火事の晩、ちょう....
」より 著者:岡本綺堂
ある訳でもないから、この陽気で忽ちに腐りはじめて、その臭気は鼻をつくという始末。物見高い江戸の観客もこれには閉口して、早々に逃げ出してしまうことになる。その評判....
おせん」より 著者:邦枝完二
までが、手を前かけで、拭きながら、ぞろぞろつながって出てくる有様は、流石に江戸は物見高いと、勤番者の眼の玉をひっくり返さずにはおかなかった。 「――さァさ来た来....
余齢初旅」より 著者:上村松園
井の便所があったりする。散髪も戸外でやっている。それを私がスケッチしはじめると、物見高い子供や大人がよって来る。どこも同じ野次馬風景である。散髪屋も客を放りぱな....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
来る。 仮装舞踏へでも行くように、うっかりして駆け附ける。 その足を早めるのは、物見高い心持ばかりです。 女客と来た日には、顔とお作りを見せに来て、 給金なしで....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
\戸板をたたいたり、手をうったり、野獣の吠えるような声で口上を叫んだりしながら、物見高い散歩の人々を群がらせているのに誰しも気がつくであろう。 私はその床屋へ....