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物覚
「物覚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物覚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
、吠えるな。そのように口やかましゅう遠吠えするものではない。揃いも揃うてよくよく
物覚えの悪い者達よ喃。この一札こそは、まさしく先々代の名所司代職板倉内膳正殿が、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
らぬぞ。どうじゃ、しかとまちがいないか」 「たしかにござりませぬ。てまえは昔から
物覚えのよいが一つの自慢。まして、ご大名がたへのご用ならば家の名誉にもござります....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
見のがしていやしねえかと考え直しているうちに、ふといま思い出したんだが、おまえは
物覚えのいいのが自慢だ。何か思い出すことアねえかい」 「はてね。いかにももの覚え....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
、妻もおなじように喜んだ。 「それだから、わたくしが言ったのです。将軍はなかなか
物覚えのいいかたですから。」 「そうだ、まったく
物覚えがいい。大勢のなかで、どう....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ともはや……申し条もござりませぬ」 「いやなになに、会うたかも知れぬが年が寄ると
物覚えがわるうなって喃。時に、薩摩の方は飢饉かな」 「と仰せられますると?……」....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
までもなしか」 「うわア、辻占が悪いのう。ところでどこまで話したっけ?」 「ええ
物覚えの悪い野郎だ。邪魔がはいったところまでよ」 「うん。違えねえ、その邪魔だが....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
「ゼルシー島か。ゼルシー島といえば、メントール侯の城塞のある島だ」 「そうだ、
物覚えがいいね、君は。しかしその城塞が、ドイツ軍の爆撃に遭って、三分の二ぐらいは....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
れ、ほんとに、手前たちと話してると厭んなっちまうぜ。手前たちゃ物の弁えもなけりゃ
物覚えも悪いと来てるんだからな。手前たちの母親は何だって手前らを海へなんぞ出した....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
じめはわたしもカピよりはずっと進歩が早かった。けれどわたしは理解こそ早かったが、
物覚えは、犬のほうがよかった。犬は一度物を教わると、いつもそれを覚えて忘れること....
「行雲流水」より 著者:坂口安吾
かね。和尚さんがお経を切りすてるから、あの野郎が成仏できないのよ」 「ちかごろは
物覚えがわるくなってな。お経などゝいうものは、切りすてるほど味のでるものだ。いず....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
れて、幼きより手習学問のこと、皆な伯父の世話なりし。自ら言うは異な事なれど、予は
物覚えよく、一を聞て二三は知るほどなりしゆえ、伯父はなお身を入れてこの子こそ穂垂....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
だったら、校内を歩いていると、後から元気な声で『ハロー!』と呼びかけられる程彼は
物覚えがよい。声はやさしいが雲突くような大男だ。でっくり肥えて、顔は日に焼けて焦....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
艦数隻寄せ来り、勝手気ままの条約を、取結んだるその時に」云々というのです。子供は
物覚が早いものですから、上手にそれを真似します。 昼間はそうして子供をよく遊ば....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
とは私に耳よりな記録だ。私も女にしては頭が大きい。六七歳から十二三歳までの聖者は
物覚えが好くて、腺病質らしく、ときどき無常を感ずるような素振りがある。しかし、こ....
「教師と子供」より 著者:小川未明
それは不思議な話であります。 あるところに、よく生徒をしかる教師がありました。また、ひじょうに
物覚えの悪い生徒がありました。教師はその子供をたいへん憎みました。 「こんなによ....