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物言う
「物言う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物言うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
は季節季節の変り目ごとに質屋での出し入れで何とかやりくりし、呉服屋《ごふくや》に
物言うのもはばかるほどであったお蔭で、半年経たぬうちにやっと元の額になったのを機....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
に生理的のものでしかあり得ない。いうことは多少気の利いたこともいうが、機械人間が
物言うように発声の構造が云っているのだ。でなければ何とも知れない底気味悪い遠方の....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
、やがて、大音声を張り上げて、相も変らぬ怪しげな七五調を飛ばしはじめた。 「石が
物言う世の習い、習わぬ経を門前の、小僧に聴かれた上からは、覚えた経(今日)が飛鳥....
「わが町」より 著者:織田作之助
けど、おまはん字イはどないだ?」 「良え薬でもくれるのんか。なんし、わての痔イは
物言うても痛む奴ちゃさかい」 字と痔をききちがえて、羅宇しかえ屋のお内儀が言う....
「見えざる敵」より 著者:海野十三
人に外ならなかった。ウルランド氏は、謹厳いやしくもせぬ模範的紳士として、社交界の
物言う花から覘いうちの標的となっていた人物だった。 秘密ボタンを押すと、扉がひ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
る、と皺面ばかりが燭の影に真赤になった。――この赤親仁と、青坊主が、廊下はずれに
物言う状は、鬼が囁くに異ならず。 「ええ、」 「どこか呻吟くような声がするよ。」....
「死者の書」より 著者:折口信夫
をうちこんで聴く者のある筈はなかった。聞く人のない森の中などで、よく、つぶつぶと
物言う者がある、と思うて近づくと、其が、語部の家の者だったなど言う話が、どの村で....
「おとずれ」より 著者:国木田独歩
せり。若者はただいまと答え身を回らしてかなたに去りぬ。二郎、空腹ならずや。われ、
物言うも苦し。二人は相見て笑いぬ、二郎が煙草には火うつされたり。 今宵は月の光....
「わかれ」より 著者:国木田独歩
くわえ折り折りかたみに何事をか語りあいては微笑む、すなわちこの老翁は青年が親しく
物言う者の一人なり。 水車場を過ぎて間もなく橋あり、長さよりも幅のかた広く、欄....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
序を正し、老けたる者若き者、綺羅星のごとくに居溢れたので、その美しさ花に劣らず、
物言うだけが優である。 「さあさあ今日は無礼講、芸ある者は遠慮なく芸を見せてくれ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ったが、私にラブ・レターをよこした。今でも覚えている。 「桜、桜、桜、雲井の桜、
物言う桜、紅の靴下のいとも愛らしの君よ、初々しき少年は何事も知らぬげに見ゆれど、....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
案山子の事だと解しているが、仮りにこの解を正しとして、童話的に動物や非情の物品が
物言う筋の語り言として見ても、案山子の友は雨蛙などならばこそあれ、そこへ蟾蜍を引....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
図の一つも附会しうる程の物識りも富の為には買収される。その筋々への運動等も、金が
物言う習いは昔も今も変りはない。奥州六郡の長たる俘囚頼時が安倍姓を名乗っているの....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いう村まで三里ばかり進んで其村に泊りました。その村のお寺にスン・チュン・ドルマ(
物言う解脱母)という菩薩が居るので、その姿は三尺ばかり、非常に綺麗なもので、いか....
「わが町」より 著者:織田作之助
けど、おまはん字ィはどないだ?」 「良え薬でもくれるのんか。なんし、わての痔ィは
物言うても痛む奴ちゃさかい。」 「あれくらい大きな声出したら、なるほど痛みもする....