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物語る
「物語る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
物語るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
。そこから雪は滾々《こんこん》としてとめ度なく降って来た。人間の哀れな敗残の跡を
物語る畑も、勝ちほこった自然の領土である森林も等しなみに雪の下に埋れて行った。一....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
るが、聞いてくれるか」 わびしげなる男の顔をつくづく視《なが》めて、白糸は渠の
物語るを待てり。 「私は金沢の士族だが、少し仔細《しさい》があって、幼少《ちいさ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
から他のものに移るということはあり得なかったであろう。それにかかわらず、この光の
物語るところによってこれらの星が皆我々の地球上にあると同種の諸原子から成立ってい....
「階段」より 著者:海野十三
二つ返事で賛成して呉れなかったのを不服に思った。それは勿論、先生の慎重なる一面を
物語るものであったと同時に、「信濃町」事件(というほどのことではないかも知れない....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
かに貴方様にお手渡しいたしますよ」 不可解なる紙片! 一体それはいかなる秘密を
物語るものであろうか。 消えた屍体 何のためか十日間あまり、事務所を留守....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
焼けた大ケヤキの高い梢の上に、バケツやトタン板がちょこんとのっているのも、それを
物語る跡である。 また池袋の武蔵野線のホームのトタン屋根が、変な具合にめくれて....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
――じつはガンマ星のことや、ふしぎなガン人種のことについて、全国の少年少女たちに
物語るのであった。 ただざんねんなのは、ガンマ和尚が、あれほど熱心に希望したガ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
晃 (細く障子を開き差覗く。) 時に小机に向いたり。双紙を開き、筆を取りて、客の
物語る所をかき取らんとしたるなるが、学円と双方、ふと顔を合せて、何とかしけん、燈....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
な蛇の鱗へ、馬乗りに乗って、谷底から駈けて来ると、蜘蛛も光れば蛇も光る。」 と
物語る。君がいわゆる実家の話柄とて、喋舌る杢若の目が光る。と、黒痘痕の眼も輝き、....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
たる彩色画で、これは目当の男のない時、歴史に血を流した人を描くのでした。」 と
物語る、三造の声は震えた。…… 「お先達。 で、貴婦人は、 (縁のある貴下。…....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
……。』 答『独身で居りましたが、それには深い理由があるのです……。実は……今更
物語るのもつらいのですが、私には幼い時から許嫁の人がありました。そして近い内に黄....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
われ等の所説を裏書するのには、或る程度まで、霊界に於けるわれ等の同志の経歴を
物語るより外に途がない。これは証明法として不充分であるが、何とも他に致方がないの....
「キド効果」より 著者:海野十三
らん? じゃ教えてやろう。これは異常興奮なんだ。精神異常者としての素質のあるのを
物語る興奮なんだ。そして此の異常性興奮のあるのは例の三人だけではないのだよ。興安....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
の言葉――をしたあげく、そこを出て来てからは、いわゆる「ちょっとした」その風姿が
物語るごとく、場末のカフェとか、田舎町の料理店とかを転々としていたのだそうで、「....
「帯の巾が広すぎる」より 著者:上村松園
いかと思います。 現になにわ帯なぞが出来ております事は、明らかにこの帯の推移を
物語るものでないかと思います。 婦人の素足の窺える事は、これを見る人々の感じで....