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「特種〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

特種の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
広津氏に答う」より 著者:有島武郎
ることはできない。かかる人はいかなる時代にも人間全体によっていたわられねばならぬ特種の人である。しかし第二の種類に属する芸術家である以上は、私のごとく考えるのは....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
ていたとしたら、いつまでも窓の下で狂おしく泣いていたかもしれない。 「……これは特種《とくだね》だ。すばらしい、特種だぞ。いや、恐るべき大事件だ。前代未聞の怪事....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
どころに立つ惨めな農家、これらの間を鋭い刃物で断ち割ったような深い峡間、それらが特種な深い感じをもって特種な筆触で描かれている。君はややしばらくそれを見やってほ....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
廻して、何だか綿のような白いものを、指先で抜きとったようであった。それはどうやら特種の薬品を浸みこませた濾気器で、博士が唯一人毒瓦斯に耐えていたのも、そのせいで....
地球盗難」より 著者:海野十三
しながら、元気な声で云った。 「……僕は東京通信新聞社の記者です。さあ一番乗りの特種を下さい!」 大隅学士は直ぐに佐々記者と仲よしになった。尤も佐々のような押....
デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
ったのです。と言うのは、各々違った売場から毎晩順番の交代で宿直するのが、この店の特種なになっているのです。昨晩の宿直は、店員の中ではこの野口君と私と、其処に立っ....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
いるものらしい。鎌倉の街を歩いて居て曾てこんな馬車に逢わなかったのを見ると、余程特種な計画的な場合の人にのみこれは雇われるものらしい。それを麻川氏の部屋で頼んだ....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
セマン等英仏独蘭の稀覯書肆から出版した各種の稀覯書目録が数百種あった。凡そ是等の特種書目は三百部乃至五百部を限るゆえ再び之を獲る事は決して出来ないのだ。 無論....
見えざる敵」より 著者:海野十三
ルの上空で採取したもので、火星の生物の毛ででもあったら、こいつは素晴らしい新聞の特種だ。よオし、こいつは儲け仕事だ。オイ、ワーニャ、お前すぐ編集次長のカメネフを....
」より 著者:池谷信三郎
取調べは二月ほどかかった。スプリング・スーツに着更えた予審判事は、彼の犯行に特種の興味を感じていたので、今朝も早くから、友人の若い医学士といっしょに、ごく懇....
花束の虫」より 著者:大阪圭吉
を崖の下へ突墜して了ったと言うからには、子供の喧嘩じゃあないんだから、何か其処に特種な技でもない限り、犯人は柄の割に腕の立つ、少なくとも被害者と対等以上の実力家....
発明小僧」より 著者:海野十三
自動車用ペンキ爆弾 これは特種の赤ペンキをタップリ含んでいるピンポン球ぐらいの小球にして、叩きつけると、す....
決闘場」より 著者:岡本かの子
居る。此の決闘場は、周囲の歴史的雰囲気に色彩られて、其の来歴を少しでも知る人々に特種な空想と異様な緊張を与えるのだが、通りすがりの人に取っても、正確に一間|隔き....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
リ、ベルリン、ウィーンに次ぐべき都会なり。ことに市街に海水を挟み、州あり橋ありて特種の風致を帯ぶるは、欧州第一と称して可なり。日中は暑気強く、わが三伏の時に譲ら....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
××新聞社の編集局長A氏は旧侯爵藤原公正から招待状を貰った。彼は次長を顧みて、 「君、これを読んで見給え、特種階級も大分生活が苦しいと見えて、藤原侯が家宝売り立てをやるそうだ」と白い角封....