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特質
「特質〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
特質の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
な属性を除き去っても、なおこれらのものがその芸術的価値において、没却すべからざる
特質を有しているからである。このゆえに自分はひとり天主閣にとどまらず松江の市内に....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
いわゆる文明を冷評しつくして、ほとんど余地を残さぬ。 予は今ここに文明の意義と
特質を論議せむとする者ではないが、もし叙上のごとき状態をもって真の文明と称するも....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
の人々よりも一層鋭敏になっている事に気が付き、そして又、それが近代の人間の一つの
特質である事を知り、自分もそれらの人々と共に近代文明に醸《かも》されたところの不....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
たわり、今も我々の監視下にあるんだからね」 ホーテンスとドレゴは、新鋭砕氷船の
特質につき大きな興味を沸かしているのだった。 「一体砕氷船というものは、そんなに....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
のを見窮めようとする時、分解された諸色をいかに研究しても、それから光線そのものの
特質の全体を知悉することが出来ぬと同様に、智情意の現象を如何に科学的に探究しても....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
境いがつかないくらいである。武器がすばらしい芸術品となったことなどにも日本武力の
特質が現われている。 東亜大陸に於ては漢民族が永く中核的存在を持続し、数次にわ....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
囲のことを知っているべきである。そのためには直接彼らと知り合って談笑のうちにその
特質や性癖を見抜くことはもちろん必要であるが、一方ではまたできるだけ彼らの出演し....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
ぬことになる。 これをいいかえるならば、癩を扱う場合、映画は、自己の表現能力の
特質を、すなわち、具体的表現という、自慢の武器を使用することをやめなければならぬ....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
の化けたのではないと思っている。さもそうらしいようなことを言ったのは、彼の一家の
特質を享けついでいる彼として、犯罪とか極悪人とかへのやけつくような憧憬から生れ出....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
である。愛好する葡萄酒の違いでさえ、ヨーロッパのいろいろな時代や国民のそれぞれの
特質を表わしているように、茶の理想もいろいろな情調の東洋文化の特徴を表わしている....
「海底都市」より 著者:海野十三
―いいえ違うわ、わたくしは、改造以前の人間といえども、海に棲息《せいそく》し得る
特質を具備《ぐび》していると思うの。それは、あの人類は、海から陸へあがってから八....
「異性に対する感覚を洗練せよ」より 著者:岡本かの子
いからである。しかし、流行の吸収に最も適した性質であり、巧に模倣を容易ならしめる
特質である。 斯くして現代の一般女性たちは、内外特殊の研究家の創造発表するもの....
「久米正雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
んぞを想起させる所もありますが、勿論全体としては別段似てもいません。 こう云う
特質に冷淡な人は、久米の作品を読んでも、一向面白くないでしょう。しかしこの
特質は....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
にコチコチになつてしまうはずはないのである。 たとえば直情径行は大和心の美しい
特質の一つであるが、近ごろの世の中のどこを見てもそのようなものはない。 直情径....
「西航日録」より 著者:井上円了
からず。自今、よろしく日本を大清国と名づけ、シナを大濁国と呼ぶべし。 日本人の
特質はすべて富峰をもって表し得るがごとく、シナ人の特色は黄河または楊子江をもって....