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牽牛
「牽牛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
牽牛の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
た七夕《たなばた》の歌は、今でもこの国に残っていますが、あれを読んで御覧なさい。
牽牛織女《けんぎゅうしょくじょ》はあの中に見出す事は出来ません。あそこに歌われた....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ました。 3 夜はこのときようやく初更に近く、宮戸あたり墨田の川は、
牽牛《けんぎゅう》織女お二柱の恋星が、一年一度のむつごとをことほぎまつるもののご....
「新生」より 著者:島崎藤村
る叔父さんを待受けたろう、いくら自分ばかり織女を気取ってもその頃の叔父さんは未だ
牽牛《けんぎゅう》では無かったなぞとも書いてよこした。すこし身体の具合が悪くなっ....
「作家の手帖」より 著者:太宰治
一つ、もっと大事な意味があったように、私は子供の頃から聞かされていた。この夜は、
牽牛星と織女星が、一年にいちどの逢う瀬をたのしむ夜だった筈ではないか。私は、子供....
「小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
よくはれた晩には時々星座図を出して目立った星宿を見較べていた。その頃はまだ織女や
牽牛は宵のうちにはかなりに東にあった。西の方の獅子宮には白く大きな木星が屋根越し....
「山の別荘の少年」より 著者:豊島与志雄
こと、小熊星座のなかの北極星のこと、次には、アンドロメーダ星座、ペルセウス星座、
牽牛星《けんぎゅうせい》と織女星《しょくじょせい》、銀河《ぎんが》のこと、彗星《....
「パリの地下牢」より 著者:野上豊一郎
美しい姿態をクール・ド・ファムの噴水のほとりに見せていたのもまことに日蔭待つ間の
牽牛花の運命に過ぎなかった。 婦人たちが次次に殺されたのは、バスティーユの牢獄....
「岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
賦した。 「素面|欄鉤ニ倚リ、嬌声|外頭ニ出ヅ、若シ是織女ニ非ズンバ、何ゾ必シモ
牽牛ヲ問ハン」 これに驚いたのは夫人でなくて、その良人の県令であった。 早速....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
《けはい》、花の風情を愛でたものとみればよろしい。 この『万葉集』のアサガオを
牽牛子《ケンゴシ》のアサガオとするのは無論誤りで、憶良が七種の歌を詠んだ一千余年....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
人家《じんか》に栽培《さいばい》している蔓草《つるくさ》のアサガオは、ずっと後に
牽牛子《けんぎゅうし》として中国から来たもので、秋の七種《ななくさ》中のアサガオ....
「空飛ぶ悪魔」より 著者:酒井嘉七
とても日本趣味ね、万葉集の歌らしいわ。読みますよ。お二人とも聞いていて頂戴。――
牽牛と織女と今夜逢ふ天漢内に波立つなゆめ……」 「天漢内に……」 清川の声が聞....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
たい。 現在知られている事実だけに依って見ても、いわゆる七日盆の習俗には、織女
牽牛の中国から来た伝説と、何等の交渉のない部分がかなり大きく、また我々の民間の星....