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犬歯
「犬歯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
犬歯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
だちは人並み以上に語学の才能を具《そな》えていた。しかし又確かに人並み以上に鋭い
犬歯をも具えていた。…………
(以下続出)
附記 この小説はもうこの三四倍続....
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
これは近頃Nさんと云う看護婦に聞いた話である。Nさんは中々|利《き》かぬ気らしい。いつも乾いた唇《くちびる》のかげに鋭い
犬歯《けんし》の見える人である。
僕は当時僕の弟の転地先の宿屋の二階に大腸加答....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
かに笑い声を洩《も》らした。やや鳶色《とびいろ》の口髭《くちひげ》のかげにやっと
犬歯《けんし》の見えるくらい、遠慮深そうに笑ったのである。
「君は何しろ月給のほ....
「女の決闘」より 著者:太宰治
理に笑ってみせようと努めたようだが、ひくひく右の頬がひきつって、あの人の特徴ある
犬歯がにゅっと出ただけのことである。 私はあさましく思い、「あなたよりは、あな....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ほど、これまでのドドには決してみられなかった、一種異様な激情のさまを呈している。
犬歯を歯齦まで鉤のようにむきだして、瞳は充血で金色にひかっている。そして、ひくい....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
北でしゅよ。」小山は、サシスセソがはっきり云えなかった。骨壊疽で義歯を支えていた
犬歯が抜け落ち、下顎の門歯がとれてしまったのだ。「あの勇敢なコシャック騎兵までが....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
思っていた石子は、ふと気がつくと、小林氏の黒ずんだ歯並びの悪い歯の中で上の二本の
犬歯、俗に云う糸切歯が勝れて長く、それが口を開く度に異様な妖怪じみた印象を与える....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
たが、昔とちがってコカインのおかげでたいした痛みはなかった。ただし、左の下あごの
犬歯の根だけ残っていたのが容易に抜けないので、がんじょうな器械を押し当ててぐいぐ....
「金の十字架の呪い」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
入口を示した。そしてまた海の下に居るという漠然たる感じを与えた。 ノルマン風の
犬歯状の模様が、巨大な鯊の口に似たある感じを与えて、底知れぬ暗さの中に、アーチ中....
「空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
ンがある。それからあの忌々しいマシュウス。チャリング・クロスの待合室で、俺の左の
犬歯をたたき折った奴。それから最後が、吾々の今夜の友人、――」彼は本を渡してくれ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
があった。 食いしばった歯が唇から洩れ、横手に置いてある行灯の灯に、その一本の
犬歯が光った。頸に現われている静脈が、充血のためにふくらんでいる。膝に突いている....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
用した。彼らは私の命令通りどんなことでもするのであった。彼らの爪は鋸であり彼らの
犬歯は斧であった。そして素晴らしいその腕力はモーターとでも云うべきであろう。やは....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
の大きい眼、太くて偏平で段のある鼻、厚くて大きくて紫色をしていて、閉ざしても左の
犬歯だけを、覗かせている髭なしの唇に、ぼったりと二重にくくれている顎、その顎にま....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
を曲げて見せた。左の唇が癇のためでもあろうか、斜めに上へまくれ上がって、そこから
犬歯が尖って見える。
「さようさ」と紋也はすぐに応じた。が、刀へは手はかけずに、....
「謎の咬傷」より 著者:小酒井不木
行しようと決心した。彼は細君を火葬に附して、骨上げをした歯骨の中から上下の門歯と
犬歯合せて十二本を取り出し、それを上下の顎の大きさの金具に排列し、更にそれを鋳物....