狂う[語句情報] »
狂う
「狂う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狂うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
詩を作ったのは皆、恋がさせた業《わざ》じゃ。思えば狐《きつね》の塚を踏んで、物に
狂うたのも同然じゃな。」と、まるで御自分を嘲るように、洒落《しゃらく》としてこう....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
、その後いずこへ赴いたぞ。」
吉助「されば稀有《けう》な事でござる。折から荒れ
狂うた浪を踏んで、いず方へか姿を隠し申した。」
奉行「この期《ご》に及んで、空....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
事で、私自身にもその理由がはっきりとわかっていた訳じゃありません。殊に私の予想が
狂うのは、今度三浦に始めて会った時を始めとして、度々経験した事ですから、勿論その....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
った新蔵が、何と思ったか突然立ち上ると、凄じく血相《けっそう》を変えたまま、荒れ
狂う雨と稲妻との中へ、出て行きそうにするじゃありませんか。しかもその手には、いつ....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
興じながら、見物したものでござる。」
記録の語る所によると、クリストは、「物に
狂うたような群集の中を」、パリサイの徒と祭司《さいし》とに守られながら、十字架《....
「或る女」より 著者:有島武郎
に着いたのだ。それだけの事で葉子の心はもうしみじみとしたものになっていた。木村は
狂うような心をしいて押ししずめながら、船の着くのを埠頭《ふとう》に立って涙ぐみつ....
「或る女」より 著者:有島武郎
には、音という音は絶え果てていた。
葉子はただ一人《ひとり》いたずらに興奮して
狂うような自分を見いだした。不眠で過ごした夜が三日も四日も続いているのにかかわら....
「星座」より 著者:有島武郎
んべつ》にくれた小形の銀時計を出してみると四時半近くになっていた。その時計はよく
狂うので、あまりあてにはならなかったけれど、反射鏡をいかに調節してみても、クロモ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
けに人の重りの加わった船はくるりと声をあげて男泣きに泣くか、それとも我れを忘れて
狂うように笑うか、どちらかをしそうな表情――それを君は忘れる事ができない。 す....
「親子」より 著者:有島武郎
廓を描いて白く光るあの夏の雲の姿はもう見られなかった。薄濁った形のくずれたのが、
狂うようにささくれだって、澄み切った青空のここかしこに屯していた。年の老いつつあ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
闇の底無しの井戸の内部へでも突き落されたように感ずるのでした。 ほとんど気でも
狂うかと思われました時に、ひょくりと私の枕辺に一人の老人が姿を現しました。身には....
「墓」より 著者:秋田滋
辺の送りのさまざまな行事がとり行われている間は、わたくしの劇しい苦しみは、気でも
狂うかと思われるほどでしたが、それは、いわば胸を抉られでもするような、肉体的な苦....
「寡婦」より 著者:秋田滋
を恋していると申し上げた、庭のあの場所まで来て、うえを見て下さい。 私は気でも
狂うかと思いました。取るものも取り敢えず、あわてて着物を著ると、私は云われた場所....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
は口を開いて、逃げようともがいたが、私はしっかりつかまえていた。私は、それが怒り
狂うブルドッグだとしても、きっとしっかり押えつけていたことだろう。私は疵口から流....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
かな響、かすめて物を言う人々の声を聞いた。そしてその後は寂寞としている。 気の
狂うような驚怖と、あらあらしい好奇心とに促されて、フレンチは目を大きく開いた。 ....