狂者[語句情報] »
狂者
「狂者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狂者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
ないか? 優勝劣敗の世の中にこう云う私憤を洩《も》らすとすれば、愚者にあらずんば
狂者である。――と云う非難が多かったらしい。現に商業会議所会頭某|男爵《だんしゃ....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
どと本に全くない事まで、色々と相談致します。二人の様子を外から見ましたら、全く発
狂者のようでしたろうと思われます。 『怪談』の初めにある芳一の話は大層ヘルンの気....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
、或いはその孫に……。」氏はここまで云って口をつぐんで仕舞った。私は氏の実母が発
狂者であることを、ひそかに知って居たので、粛然として氏の言葉を聞いた。だが、それ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ものを求めかね、物に狂い心を取り外し、一日といえども人の血を見ねば活きておられぬ
狂者となり、悶え悶えておるのでござるよ。……ああこの腕がムズムズする! ※き苦し....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
は非とすべきでは無いが、殉死を忌む余りに殉死した者をも悪《にく》んだ。で、大膳は
狂者のように謂《い》われ、大膳の子たる伯耆まで冷遇さるるに至った。父が忠誠で殉死....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
だ。おお、卓子や長椅子を放り出している。艇長は、最後には、艇内にいる三十八人の発
狂者を投げ出す決心をしている」 「三十八人の発
狂者を……」 いつの間にそんなに....
「流線間諜」より 著者:海野十三
のように真赤になって、声もなく、ただ苦し気に喘ぐばかりだった。 奇怪なる発
狂者 「帆村君、君は本官を揶揄うつもりか。そこにじっと立っていて、なぜ、あの怪紳....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
動かずして、あたかもなきがらのごとくなるを、ソト戸の透より見るを得べし。これ蓋し
狂者の挙動なればとて、公判廷より許されし、良人を殺せし貞婦にして、旅店の主翁はそ....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
たなき追慕の念の、その一端をもらせるなる。母は女の心を察して、その挙動のほとんど
狂者のごときにもかかわらず、制し、且つ禁ずることを得ざりしなり。 ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
理上にも一種の変態をおこすのは怪しむに足らない。尼はなんでもない、単に一種の色情
狂者に過ぎないのであろうと僕は鑑定している。尼が犬をなぜ嫌ったか、それは判らない....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
さえあるに、悪口するとは何事じゃ。出て来い! 斬ってくれる!」 「斬られに行く酔
狂者はない。出て行かぬよ。用があらば、そっちから紙帳の中へはいって参れ。ただし、....
「ポオとルヴェル」より 著者:小酒井不木
em of Dr. Tarr and Prof. Fether. の最後の部分の
狂者たちの行動の描写に至っては、面白いというよりも自然と頭がさがるのを覚える。い....
「春」より 著者:岡本かの子
居なければなるまい。今夜のような京子の行為も、いつぞや京子の医者が言ったように、
狂者の一種の変態性慾の現われではあるまいか。この症状が執拗に進展して行ったら、京....
「花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
う面を写生し、その写生面を生きた人間――つまり照日前の顔に描いてみた。 能面と
狂者の顔の類似点がうまく合致して、この方法は、わたくしの意図どおりの狂人の顔が出....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
はたと婆に突かけた。 「火事だ、」 また喚いて件の薪雑棒を振廻す、形相あたかも
狂者のごとく、いや、ごとくでない、正に本物である。蓋し小金も溜って、家だけは我物....