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独り言
「独り言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
独り言の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
眼光をあげて、じっと秋をまたたいている燈火《ともしび》の光を見た。そうして、半ば
独り言のように、徐《おもむろ》にこう答えた。
「だから、英雄の器だったのさ。」....
「母」より 著者:芥川竜之介
男はしばらくたった後《のち》、ごろりと仰向《あおむ》きに寝転《ねころ》ぶと、
独り言のようにこう云った。
「蕪湖《ウウフウ》住みをするようになったら、発句《ほ....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
そっくり丸炙《まるやき》にしたような形である。弟子の僧はこれを見ると、足を止めて
独り言のようにこう云った。
――これを鑷子《けぬき》でぬけと申す事でござった。....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
》る。――」
やがてまた摩利信乃法師は、相不変《あいかわらず》もの静かな声で、
独り言のように言《ことば》を継《つ》ぐと、
「が、予は姫君が恋しゅうて、御意《ぎ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
計《おおどけい》とも絶縁だな。」
兄は尾張町《おわりちょう》の角へ出ると、半ば
独り言のようにこう云った。
「だから一高《いちこう》へはいりゃ好いのに。」
「一....
「竜」より 著者:芥川竜之介
《ひら》いた頭を聳《そびや》かせたまま、行きすぎようと致しましたが、恵印はまるで
独り言のように、『はてさて、縁無き衆生《しゅじょう》は度《ど》し難しじゃ。』と、....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
めて、「形勢いよいよ非だね。僕はお敏さんが失敗したんじゃないかと思うんだが。」と
独り言のように云うのです。新蔵はお敏の名前を聞くと、急にまた動悸が高まるような気....
「百合」より 著者:芥川竜之介
三は厳《おごそ》かに云い切った。良平は内心たじろぎながら、云い訣《わけ》のように
独り言を云った。
「早く咲くと好《い》いな。」
「咲くもんじゃあ。夏でなけりゃ。....
「生きている腸」より 著者:海野十三
、医学史はじまっての大実験に、俺はきっと凱歌をあげてみせるぞ」 彼は、ぼつぼつ
独り言をいいながら、さらにレトルトや金網やブンゼン燈などをあつめてきた。 その....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
坂さんだわ……」とマスミは急に眼を輝かして「これがあたしの本当の運命だわ」 と
独り言をいって、こんどは僕の方を振り向き、 「あたし、ちょっと用事ができたのよ。....
「殺人の涯」より 著者:海野十三
「とうとう女房を殺してしまった」 私は尚も液体を掻き廻しながら、
独り言を云った。 大きな金属製の桶に、その白い液体が入っていた。桶の下は電熱で....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
見せられた弦三は、自分の使命のことも何処へか忘れてしまい、 「畜生! 畜生!」と
独り言を云いだしたかと思うと、矢庭に側の太い電柱にとびつき、危険に気がつかぬもの....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
がら、いつまでも立ちつくしていた。 大江山課長は、傍を向いて、誰にいうともなく
独り言をいった。 「覆面探偵がたしかに来て居ると思ったのに一向に見つからず、その....
「雷」より 著者:海野十三
……思ったとおりだ。……今に見て居れ」 紳士は、町の方をふりかえると、低い声で
独り言を云った。 彼は、恐ろしい殺人計画を、自分だけの胸中に秘めて、この比野の....
「科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
…」 女将がズシリズシリと階下へ降りて行ってしまうと、科学者は深い歎息をして、
独り言を言った。 「物理や化学をやっている科学者には、生物学なんてニガテだな」....