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「独唱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

独唱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
気《け》ない声で礼を云った。 「どうぞ。当夜は清水昌一《しみずしょういち》さんの独唱《ソロ》もある筈になっていますから、是非大井さんとでもいらしって下さい。――....
映画時代」より 著者:寺田寅彦
品《ひん》は悪いが一つの新しい世界を創造している。これに反して環《たまき》夫人の独唱のごときは、ただきわめて不愉快なる現実の暴露に過ぎない。 絵画が写実から印....
ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
きまって、ヴァルブノアの橋のたもとにあるカフェー・オートンヌで、ポンチ酒に酔って独唱をやっている中尉を、この辺の浮気な女たちは誰でも知っていた。 フレロンの要....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
という風にも見えなかった。それが舞台度胸というのであろうか。高いところから得意の独唱をするときのように、黒いガウンに包まれたしなやかな腕を折り曲げ、その下に長く....
旅日記から」より 著者:寺田寅彦
甲板の椅子によりかかってマンドリンを忍び音に鳴らしている女があった。下の食堂では独唱会があった。 四月十五日 自分らの隣の椅子へ子供づれの夫婦が来た。母親がど....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
としての役目を充分に果たしているようである。これに反してヤニングスの場合は彼の「独唱」にただ若干の家庭楽器の伴奏をつけたかのような感じがしないでもない。そういう....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
持ちはじめた。彼は支那風の大きな邸宅に住む坊ちゃんで青白い顔をしていた。学芸会に独唱をしたり劇に出たりした。その声が、りんりんとしており講堂の隅で下稽古の時こっ....
枯菊の影」より 著者:寺田寅彦
飲めるようになった。前には人前に出るとじきにはにかんだりしたのが、校友会で下手な独唱を平気でするようになった。なんだか自分の性情にまで、著しい変化の起った事は、....
雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
十分に開かず、唇もそんなに動かさずに、口の中で歌っているせいかもしれない、始めの独唱のときは、どの人が歌っているか、ちょっと見ては分らないようであった。 これ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
ねなおし、気を落ちつけるように机の前に、坐った。 途端に、聞き馴れたスキーパの独唱が、夫人の部屋から聞えて来た。新子の好きな、そして美沢も愛好している「グラナ....
映画雑感(Ⅴ)」より 著者:寺田寅彦
指揮者を同伴して演奏会へ行っても容易に得られない無言の解説である。カルメンの中の独唱でも、管弦楽の進行の波頭が指揮者のふりかざした両腕から落ちかかるように独奏者....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
、その日私は小屋に籠もって煙草ばかりポカポカ吹かしていた。小屋の外では山羊や猿や独唱好きの小鳥などが、私を呼び出そうとするかのように賑やかに絶え間なく喋舌ってい....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
も拘らず意外に進歩しておって、移動やクローズアップなぞ、すでに相当にやっておる。独唱家が苦しい声をはりあげなければならない時には遠景にしてやることも、客席へ角度....
昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
お前の膝の上だ」 「あッ、そうか」 頭に手を当てて、膝の上を見て、ラジオ欄の「独唱と管弦楽、杉山節子、伴奏大阪放管」という所を見ると、 「杉山節子……? そう....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
て文芸協会公演。狂言は「ハムレット」。 ○七月、柴田|環女史、帝国劇場に出勤して独唱。 ○八月、松竹会社が歌舞伎座を買収せんとし、同座一部の役員間に紛糾を生じた....