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「独坐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

独坐の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
草枕」より 著者:夏目漱石
を、次には咏《うた》って見たい。あれか、これかと思い煩《わずら》った末とうとう、独坐無隻語。方寸認微光。人間徒多事。此境孰可忘。会得一日静。正知百年忙。遐懐寄何....
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
たり。何とて父母を捨て流浪《るろう》せりやと問えば、情婦のためなりと答う。帰後|独坐感慨《どくざかんがい》これを久《ひさし》うす。 十日、東京に帰らんと欲する....
カーライル博物館」より 著者:夏目漱石
でに倫敦の塵《ちり》と音を遥《はる》かの下界に残して五重の塔の天辺《てっぺん》に独坐するような気分がしているのに耳の元で「上りましょう」という催促を受けたから、....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
が群れているのである。) 午後六時発錨す。清風暑さを洗い、涼味津々たり。 船窓独坐晩凝。 (船窓に独り座して夕暮れに眸をこらして見れば、海をめぐる青い山々には....
三国志」より 著者:吉川英治
の身の美点ばかり聞かせると、予も袁紹になるおそれがある」 その夜―― 彼は、独坐していた。 「右すべきか、左すべきか。多年の宿題が迫ってきた」 袁紹という....
三国志」より 著者:吉川英治
知ろうはずはない」 その夜、関羽はよく眠らなかった。そして翌る日も、番兵小屋に独坐して、書物を手にしていたが、なんとなく心も書物にはいらなかった。 すると、....
三国志」より 著者:吉川英治
紹に諫言して、かえって彼の怒りをかい、軍の監獄に投じられていたが、その夜、獄中に独坐して星を見ているうちに、 「……ああ。これはただごとではない」と、大きくつぶ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
彼方、千早からは西方二里余の山中である。 胴服に山ばかまの姿を机によせ、今日も独坐の恰好だった。近ごろは、集会の若者たちもとんと見えず、婆は耳が遠かった。しき....
大岡越前」より 著者:吉川英治
にあるときは、日々、白洲へ曳かれてくる無数の人間を裁く法官の彼であったが、静夜、独坐のうちにある彼は、自分で自分を裁かずにいられなかった。 ――ふすま際へ、小....
それから」より 著者:夏目漱石
の仕切を立て切って、一人|室《へや》のうちへ這入った。来客に接した後しばらくは、独坐に耽《ふけ》るが代助の癖であった。ことに今日の様に調子の狂う時は、格別その必....