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独房
「独房〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
独房の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
チマ子はわざとらしい京都弁で言ったが、すぐ大阪弁に戻り、 「――喧しかったら、
独房へはいったらええやないの。ここはあんた一人の留置場とちがう。無料宿泊所や、贅....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
も歩いているのではないだろうかと、どの位注意したか分らなかった。その後、刑務所の
独房に帰ってから一二日眼がチカ/\と痛かったことを覚えている。 自動車が四丁目....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
ったのだが、唯一つ困ったことが出来た。 「なんか異状はないか」 と看守が、私の
独房の窓から、室内を覗きこんだ。 「はア、困っていますんで……」 「困っている?....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
きたらそりゃ恐ろしいもんで……。ええ、その大将はすぐ参ります。じつは、野郎だけが
独房生活で」 その、通称“Gori-Nep”という得体のしれぬ海獣を、まもなく....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
が出て行くと、主任はすっくと立上った。 「おい、見に行こう」 一同がうち連れて
独房の前に立つと、薄暗い不潔な箱の中で、支倉が顔蒼ざめて手足をバタバタさせながら....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
彼はそして連れて行かれた。 初めての臭い留置場は森本を寝らせなかった。そこは
独房だった。 彼は澱んだ空気の中に、背を板壁に寄らせたまゝ坐っていた。――色々....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
っていてもいい。 酒のことはまたあとで書く。その前にドリイの歌を一つ入れたい。
独房の 実はベッドのソファの上に 葉巻のけむり バル・タバレンの踊り子ドリイ ....
「獄中記」より 著者:大杉栄
の中へ移された。今までいたところは、新入や、翌日放免になるものや、または懲罰的に
独房監禁されたものなどの一時的にいる、特別の建物であった。 石川三四郎と山口と....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
畜生恋 僕はいつも
独房にばかりいて、雑房の方のことはよく知らない。雑房というのは、詳しく言えば雑居....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
だ知らない事実――四馬剣尺や猫女のことなどを知っているのだから。 きれいな
独房 かわいそうなのは、自宅からヘリコプターにさらわれていった牛丸平太郎少年だ....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
予はこの監に来てから、最初一両日は換刑の者と一しょにおかれ、次に一週間ばかり
独房におかれ、最後には他の軽禁錮の者とともに三人でおかれた。その同房の二人は衛戌....
「赤旗事件の回顧」より 著者:堺利彦
ぬ。我々の多数はついに今一人の男を有罪と認め、それに絶交を申し渡した。我々はみな
独房であったけれども、それが隣り合ったり、向かいあったりしているので、それにまた....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
では待遇上被告人を二つの階級に別けてある。しこうしてその一は雑房に住み、他の一は
独房に住むの差異がある。……すなわち
独房をもって監獄における紳士閥として置こう。....
「独房」より 著者:小林多喜二
俺はだまって、その方へ歩き出した。 アパアト住い 「南房」の階上。
独房――「No. 19.」 共犯番号「セ」の六十三号。 警察から来ると、此処....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
ょう」と、快く引受けた。 「私はある死刑囚から世にも気の毒な物語を聞いたのです。
独房にいるはずのその囚人から、同じく囚人である私が、どうして話を聞いたかという事....