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独断的
「独断的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
独断的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
世智辛《せちがら》い、つれない浮世の洗練を経てすっきりと垢抜した心、現実に対する
独断的な執着を離れた瀟洒として未練のない恬淡無碍《てんたんむげ》の心である。「野....
「ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
ったのだが、葡萄酒好きで、葡萄酒に対する鑑識を誇っている大尉は、どうしても中尉の
独断的な反駁《はんばく》をききながすには堪えなかったのである。 「産額などはむろ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
由意志を押えて盲従させるものとは根本に於て相違し、各部隊、各兵の自主的、積極的、
独断的活動を可能にするために明確な目標を指示し、混雑と重複を避けるに必要な統制を....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
在っては、微かな風に吹かれているときの花の茎に認められ――人間に在っては、一種の
独断的な無心な状態に於けるとき湛えられている、あの何とも知れない無限で嫋やかな空....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
秀吉は家康と処分法を議し、氏直の死を許し、氏政、氏照等を斬った。 思うに氏直の
独断的降服は軽率であった。尤も家康なんかの斡旋を頼りにして居たのだろうが、家康は....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
ちの運動のことを熱心な調子で話し出した。河田のその熱心な調子は何時でもそうだが、
独断的なガムシャラなところを持っていた。それは初めての人に、無意識な反感さえ持た....
「映画の世界像」より 著者:寺田寅彦
ぱいに活動しているのを見る時には、われわれの月並みの宇宙観は急に戸惑いをし始め、
独断的な身勝手イデオロギーの土台石がぐらつき始めるような気がするであろう。不幸に....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
培養し、補修して、以てわれ等の通信の目的に副わせるように仕向ける。無論彼の懐ける
独断的意見には、斧鉞を加えねばならぬが、格別害にもならぬ意見は、そのままに棄て置....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
諦めも半分あった。 私の隣の席に熱心なカトリック信者がいた。アリーよりももっと
独断的な信仰の持主で、私をしきりにカトリックへとひっぱった。教会へゆく人は教会へ....
「影のない犯人」より 著者:坂口安吾
作殺しの犯人は絶世の美女かも知れないなア。それだったら、もう、文句はねえや」 「
独断的な推理は止した方がよいですよ。殺人なんか、なかったのかも知れないじゃないで....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
気の向いているときは、実に惚れぼれするようないい相手である。非常に博識で、しかも
独断的に見ゆることなしに、強く自己の意見を表示する力を持っている。それを思うと、....
「地上」より 著者:島田清次郎
子の見えなくなった原因を平常の話から和歌子の家庭の主権者である継母の所為であると
独断的に信じてしまった。どうかして和歌子の在処を知りたい。知らずに置くものかと思....
「誤った鑑定」より 著者:小酒井不木
それはとにかく、自絞が吸息状態で行われ、他絞が呼息状態で行われるという説も、随分
独断的ではありませぬか？」と私は言った。 「困ったものですね。世の中には自分の経....
「泉鏡花先生のこと」より 著者:小村雪岱
人のわれわれにはうかがい知れない深い思慮と倫理から出た事柄で、たといそれが先生の
独断的な理窟であっても、決して出鱈目ではなかったのでした。 あの香り高い先生の....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
のである。 間人なるハシヒトが果して土師人であるか否かについては、単に本居翁が
独断的に「然なり」と言われただけでは、なお未だ以て他を承諾せしむるには不十分であ....