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独特
「独特〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
独特の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
《てじな》、何でも出来た。その上また、身ぶりとか、顔つきとかで、人を笑わせるのに
独特な妙を得ている。従って級《クラス》の気うけも、教員間の評判も悪くはない。もっ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
だ。」
トックは昂然《こうぜん》と言い放ちました。こういうトックは芸術の上にも
独特な考えを持っています。トックの信ずるところによれば、芸術は何ものの支配をも受....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
こうじゃないか」――気の早い赤木君が、新聞をほうり出しながら、「行《い》」の所へ
独特のアクセントをつけて言う。そこでみんな、ぞろぞろ、休所を出て、入口の両側にあ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
たということになっている。英領コロンビアのタクル人(Takullier)の観念は
独特なものであって、すなわち、始めには水と一匹の麝香鼠の外には何もなかった。この....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
る世界の魅力は失われましたが、二十年来の経験に基づき、特に第二次欧州戦争に乗じ、
独特の活躍をなしつつあるソ連の実力は絶対に軽視できません。第二は米州であります。....
「橋」より 著者:池谷信三郎
少女の姿が、世界じゅうの無数のスクリンの上で、果物と太陽の香りを発散した。東洋人
独特の淑やかさはあり、それに髪は断ってはいなかったが、シイカの面影にはどこかその....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
べていた微笑が、今もその口のほとりに残っているばかりか、その眼のどこかには年寄り
独特の穏かさが隠れているように見えた。しかもかれらは婚礼の衣裳までも着換えさせよ....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
だ戦国時代の血腥い風の脱け切らぬ江戸ッ子の嗜好に投じて、遂には市川流の荒事という
独特な芸術をすら生んだのだ。 荒事といえば二代目の団十郎にこんな逸話がある。そ....
「格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
らない人である。これは時には宇野浩二に怪物の看を与えるかも知れない。しかし其処に
独特のシャルム――たとえば精神的カメレオンに対するシャルムの存することも事実であ....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
。 滝田君は熱心な編輯者だった。殊に作家を煽動して小説や戯曲を書かせることには
独特の妙を具えていた。僕なども始終滝田君に僕の作品を褒められたり、或は又苦心の余....
「狂女」より 著者:秋田滋
は、蜿蜒として、果てしもなく続いた。どれを見てもみな同じように、例の普魯西の兵隊
独特の操り人形よろしくと云った恰好をして歩いている。やがて、頭立った将校があつま....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
知っている肱掛椅子の擦り切れたあと、自分の部屋の匂い(家というものには必ずその家
独特の匂いがあるものだ)そうしたことが、毎晩、習慣というものに対して嘔吐を催させ....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
証拠というのは片方の草履だった。音をたてまいために彼がわざわざ穿いて行ったR家
独特のぼろを交ぜてつくった、ばかりでなく、その上へご丁寧にも、人に盗まれまいため....
「大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
分延びてくる。すると尼さんの持つ不吉なる雅味を生じてくる」と述ぶるが如き、みな彼
独特のユーモアと警句とでないものはない。 渡欧に際し猿股のことばかり考えて居て....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
連盟の総会に出張したときに、ある日ジュネーブで伊藤述史公使が私に、「日本には日本
独特の軍事学があるでしょうか」と質問されたが、私は「いや、伊藤さん、どうも遺憾な....