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独自
「独自〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
独自の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の父と母」より 著者:有島武郎
学《じゅがく》であって、その影響からは終生脱することができなかった。しかしどこか
独自なところがあって、平生の話の中にも、その着想の独創的なのに、我々は手を拍《う....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
な思想家をすら必要とはしていないのだ。かえってそれらのものなしに行くことが彼らの
独自性と本能力とをより完全に発揮することになるかもしれないのだ。
それならたと....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
でいてくれ。自分を誇大して取り返しのつかない死出の旅をしないでいてくれ。もし彼に
独自の道を切り開いて行く天稟がないのなら、どうか正直な勤勉な凡人として一生を終わ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
とが、私の生活の上に表われて来る。これまで外界に征服されて甘んじていた個性はその
独自性を発揮して、外界を相手取って挑戦する。習性的生活に於て私は無元の世界にいた....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
と思われる。 東洋の諸民族の中で、インド人はその古い宗教をもつ点で他民族の中に
独自の地位にある。この宗教は永い間に僧侶階級によってだんだんに作り上げられ、永遠....
「温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
、談話趣味の高級な人、そして上品なウイットの人なのである。我が文壇にはこの方面で
独自の人であった。夏目さんには大勢の門下生もあることだが、しかし皆夏目さんの後を....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
うなら、私のネオ・コンクレチスムは綜合主義とも云えるのです。 「一郎君は一郎君で
独自の路を歩いていられます。彼は自然現象中より芸術の力によって美の抽象ということ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
だろうか。異議があればいいたまえ」 誰も異議を唱える者はなかった。そこで帆村は
独自の捜査を進行することとなった。 「まず旗田亀之介氏を訊問したいのです。ここへ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
、すべての生きとし生けるものの美に法悦するほど好いことはない。そこで、彼は自分の
独自の人生観の真理をラザルスに説得して、その魂をもよみがえらせることに自信ある希....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
思考と判断の余地は、別に認められなければなるまいと思います。 そして小生は自分
独自の心境と見解を持つものであり、他からこれをおかされることをきらうものでありま....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
て捜しても決して発見されない椿岳独特の一線一画がある。椿岳には小さいながらも椿岳
独自の領分があって、この領分は応挙や探幽のような巨匠がかつて一度も足を踏入れた事....
「日本画と線」より 著者:上村松園
の線の研究や鍛錬を軽んじて色を塗る事にばかり苦心をしていられるのは、日本画の持つ
独自の特色を喪うものであると思われまして、誠に残念に思うところでございます。 ....
「娘」より 著者:岡本かの子
溶けて行くようだった。 それだけ彼女には異常な圧迫感が加わる。今まで、自由で、
独自で自然であった自分が手もなく擒にされるのだ。添えものにされ、食われ、没入され....
「貧乏線に終始して」より 著者:小川未明
て、記して見ます。 何と言っても、はじめて、作家に志してから、苦しんだことは、
独自の境地を行こうとする努力と、その作品を直に金に換えなければ、衣食することがで....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ついてはよく日本民族の綜合的特性を活用し、高所大所より観察して公正なる判断を下し
独自の識見を持たねばならぬ。 民族性、将帥の性格が会戦指揮方針に与える作用も前....