独語[語句情報] » 独語

「独語〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

独語の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「白」より 著者:芥川竜之介
前に、露《つゆ》に濡《ぬ》れた体を休めました。それから寂しい月を相手に、こういう独語《ひとりごと》を始めました。 「お月様！ お月様！ わたしは黒君を見殺しにし....
「或る女」より 著者:有島武郎
立てのキャリコの裏の冷え冷えするのをふくよかな頤《おとがい》に感じながら心の中で独語《ひとりご》ちた。 「何をわたしは考えていたんだろう。どうかして心が狂ってし....
「星座」より 著者:有島武郎
苦々《にがにが》しく聞いた。 「さあ園の奴まだいたかな」 そう西山は大きな声で独語しながら、けたたましい音をたてて階子段を昇るけはいがしたが、またころがり落ち....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
》を見るを得たり。渠は色白く瀟洒《いなせ》なりき。 「おや、違ってた！」 かく独語《ひとりご》ちて、太夫はすごすご木戸を入りぬ。 三 夜《よ》....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
がよいか。こう考えて来て自分は愉快でたまらなくなった。われ知らず問題は解決したと独語した。 五 水が減ずるに従って、後の始末もついて行く。運び残....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
来る間に、膳の傍へ転んだようになって、例に因って三の面の早読と云うのをすると、（独語学者の掏摸。）と云う、幾分か挑撥的の標語で、主税のその事が出ていたので、持ち....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
、清く、小さく鋭く、クララの心をうった。 「何よりもいい事は心の清く貧しい事だ」独語のようなささやきがこう聞こえた。そして暫らく沈黙が続いた。 「人々は今のまま....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
やかで魅力が無ければ僕たち人間には訴えて来ません」 規矩男の云うことはだんだん独語的になって、何の意味か、かの女にも判らなくなって来た。しまいには規矩男はナポ....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
ろで云った。「お姉様。麻川さんと何か喧嘩していらしったのでしょう。」あとは従妹の独語的に「ほんとにさ、多田さん（嘗て私を変態的に小説に書いて死んで行った病詩人）....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
くさ。その癖のん気よ。角の蕎麦屋から一軒々々、きょろりと見ちゃ、毎日おなじような独語を言わあ。」 「其奴が、（もりかけ二銭とある）だな、生意気だな、狂人の癖にし....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
だってあまり信用してはいない。 Ｂ （やや突然に）おい、飯食いに行かんか。（間、独語するように）おれも腹のへった時はそんな気持のすることがあるなあ。....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
大欅の下に、真先に帰って来たのは怪山伏泰雲であった。はなはだ機嫌が悪く、ぶつぶつ独語をつぶやきながら、金剛杖で立木を撲りなどしていた。 そこへ怪剣士小机源八郎....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
の快調にすっかり酔わされたように、しばし茫然として自動車を見送っていたが、やがて独語した。――あの分ならなんとかなる。 三 儀作は数日おいて再び古谷....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
旧外国語学校が閉鎖され、一ツ橋の校舎には東京商業学校が木挽町から引越して来て、仏独語科の学生は高等中学校に、露清韓語科は商業学校に編入される事になった。当時の東....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
て来た。あなたの丘で狐の啼く声が聞えた。 「明後日は市の立つ日だな。」と、安行は独語のように、「何うか天気に為たいものだ。」 「そうです。月に一度の市ですから…....