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狭める
「狭める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狭めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ら、妙じゃありませんか」 「成程、失楽園の一員に……」 法水も怪訝そうに眉間を
狭めると、 「多分、これを見たのでしょう」 といって、杏丸は最後のページを開い....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
らない金魚の遺伝と生殖に関してだけを研究することは自分の才能を、小さい焦点へ絞り
狭めるだけでも人一倍骨が折れた。頬も眼も窪ませた復一は、力も尽き果てたと思うとき....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
自分は、科学的認識に於ては口を利かない。口を利けば却って単にその認識を主観的にし
狭めるだけで、少しも之をユニックにしたり深めたりはしない。で、自分を出しながら主....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
のような冷たい光を放射して、雲は一団の白い炎になり、ぎらぎらと輝く、私たちは路を
狭める籔を掻き分けて行く、笹の葉から、蛾が足を縮めて、金剛杖の下にパタリと落ちた....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
物論を確固なものにするかのように見えるが、夫は併し同時に、唯物論の限界をそれだけ
狭める結果を伴うことをも忘れてはならない。例えば吾々の頭脳の脳細胞の作用から独立....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
することを妨げられたのである2)。そしてまたこれらの森林こそは、生活資料の源泉を
狭めることによって、人口の過剰を惹き起す役割を果したのであり、すなわちその国の乏....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
断片なのである。 まして、夜な夜な八住が外出していたということは、またその渦を
狭めるものであって、結局、すべてが「|鷹の城」に集注されてしまうのだが、そうして....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
られている。しかしながら、これら二つの事情の本当の結果は、単に実際の人口の限界を
狭めるだけのことであって、社会の下層階級に対する困窮の平均的圧迫と称すべきものに....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
する率が多い。生活が即舞台となることが出来るから。そしてこの評判が源之助の芸格を
狭める結果になった。遥かの後昭和十二年十一月明治座に久し振りで鈴木|主水の芝居が....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ス
それは約束をする上は、あなたに十分の権利がある。
なんのかのと云って、それを
狭めるような事はしません。
しかしそれはそう手短には行きませんから、
こん度の御....
「それから」より 著者:夏目漱石
れまでに成し遂げたとばかり公言する。けれども封建時代にのみ通用すべき教育の範囲を
狭める事なしに、現代の生活慾を時々刻々に充《み》たして行ける訳がないと代助は考え....