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狼煙
「狼煙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
狼煙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「銀河鉄道の夜」より 著者:宮沢賢治
白い霧のよう、そこからかまたはもっと向うからかときどきさまざまの形のぼんやりした
狼煙《のろし》のようなものが、かわるがわるきれいな桔梗《ききょう》いろのそらにう....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
を口から離さずに、時々思い出したような濃い煙を、まだ火の消えていない証拠として、
狼煙《のろし》のごとくぱっぱっと揚げた。その煙が彼の顔の傍《そば》でいつの間にか....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
で玄関へ出て、礼之進の靴の中へ。この燃草は利が可かった。※と煙が、むらむらと立つ
狼煙を合図に、二階から降りる気勢。飜然路地へお蔦が遁込むと、まだその煙は消えない....
「あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
意識あるもののように鳴った。 この記念すべき光景―― この記念すべき言葉――
狼煙《のろし》のように、サルフィユの言葉は空中へ突進した。 「満場のみなさま、御....
「惜別」より 著者:太宰治
える。支那の杉田玄白になる事だ。それだけだ。支那の杉田玄白になって、支那の維新の
狼煙を挙げるのだ。 あの松島の旅館で、当時二十四歳の留学生、周さんは、だいたい....
「ビジテリアン大祭」より 著者:宮沢賢治
勿論花で飾られた高い祭壇《さいだん》が設けられていました。そのとき、私は又、あの
狼煙《のろし》の音を聞きました。はっと気がついて、私は急いでその音の方教会の裏手....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の上に真黒に盛り上った森の中から、ポーッと火の手の上るのを見ました。 それは、
狼煙《のろし》のように――風が無いものですから、思うさま高く伸びきって、のんのん....
「露肆」より 著者:泉鏡花
出して、牛鍋の唐紅も、飜然と揺ぎ、おでん屋の屋台もかッと気競が出て、白気濃やかに
狼煙を揚げる。翼の鈍い、大きな蝙蝠のように地摺に飛んで所を定めぬ、煎豆屋の荷に、....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
…蛙のごとき青田の上に……かなたこなた同じ雲の峰四つ五つ、近いのは城の櫓、遠きは
狼煙の余波に似て、ここにある身は紙鳶に乗って、雲の桟渡る心地す。 これから前は....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
に対する快味は今日の人では判るまい。なお岩城島の山頂で世子の船が見えたというと、
狼煙《のろし》を揚げる。それから主なる島々が受継いで、三津浜の向うの興居島《ごご....
「風景」より 著者:豊島与志雄
進む。船は半ば陸地に乗上げる。武装の人々は船から飛び出し、そして其処で、時ならぬ
狼煙と火焔とが立昇るのである。――彼等は船を焼いたのだ。自ら退路を断って、死地に....
「銀河鉄道の夜」より 著者:宮沢賢治
、そこからか、またはもっと向《む》こうからか、ときどきさまざまの形のぼんやりした
狼煙《のろし》のようなものが、かわるがわるきれいな桔梗《ききょう》いろのそらにう....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
と笑い、 「これは、おれの智慧でもなければ、伏鐘の智慧でもない。信玄の『陣中|遠
狼煙《とおのろし》の法』といって、うかつには行けない山の頂上などに仕掛けた
狼煙を....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
に白い顔、顔、顔――蒼茫たる光野に一閃する海の地獄絵だ。が、このタイタニック号の
狼煙《のろし》を認めた通行船はなかった。火影を認めた船はあっても、
狼煙とは思わな....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
虎狼、狼声、狼毒、狼狠、狼顧、中山狼、狼※、狼貪、狼竄、狼藉、狼戻、狼狽、狼疾、
狼煙など、めでたきは一つもなき唐山のためし、いとおかし。いわゆる御狗を出すところ....