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猛る
「猛る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
猛るの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「美しき月夜」より 著者:宮本百合子
は、当もなく拡げた両腕を振りまわしながら、叫声を挙げ、身をもがき、焦躁《あせ》り
猛る。しかし、Wは、失神したように呆然と口を開いて、この瞬間を立ちつくした。極度....
「田舎風なヒューモレスク」より 著者:宮本百合子
ぐさませるためじゃあねえぞ!」 すると、勇吉は、粗朶火を持たない左の手で、怒り
猛る仁王のようにおしまにつかみかかりながら罵りかえした。 「へちゃばばあ! ええ....
「雨と子供」より 著者:宮本百合子
とだ。濡れて繁茂した竹が房々した大きい手、ふり乱した髪、その奥には眼さえ光らせて
猛るようだ。大竹藪の真ん中で嵐に会った人間は今自分のいる外の天地にも同じ変化が起....
「白い壁」より 著者:本庄陸男
るかを思いだした。不機嫌に蒼ざめたこの教師が、壁を汚したことによってどんなに怒り
猛るかしれないと思うのであった。すると何年かの間学校生活を余儀なくされた子供たち....
「地上」より 著者:島田清次郎
い甘美な夢のような美しい空の色に映していることもあった。あの恐ろしい自然の威力に
猛る北国の冬の前の寂しい静かな秋風の吹く秋を人々は頼りない心で迎え送っていた十月....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
声が、ひとつの騒音となってグワーと水にひびいている。 とんでもない大声で船夫の
猛るのや、くるくるとうごいて廻る影が四国屋の帆印をたたんだ二百石船の胴の間に躍っ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
八について列の前へかき分けて出る。 遍路は、磐石のように佇立したまま、しきりと
猛る捕手などには、言葉もくれず、耳も藉さない。そうして、同心組の者が来るのを待ち....
「三国志」より 著者:吉川英治
の残るひとりが※です。強いわけですよ」 「なるほど、それでは――」 「その力は、
猛る牛の尾を引いてひきもどしたという程ですからな。――で世間のものは、彼を綽名し....