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猛暑
「猛暑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
猛暑の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「祭日ならざる日々」より 著者:宮本百合子
ことになった。それは真夏のことであった。タイピストたちは、今年はことに激しかった
猛暑の中で大汗になり、袂を肩へかつぎあげて、残業で働いている。そういう話をきいた....
「竜田丸の中毒事件」より 著者:宮本百合子
原因は卵焼の中毒であると、明らかに認めながら「けれども、永い航海の疲労と三日来の
猛暑が船客達の胃腸を弱らせていたからです」と語っている。 このけれどもという短....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
鴨拘置所へ送られた。七月まで調べがないまますぎた。女区は全く通風のない建てかたで
猛暑の夏であったため、百合子は体じゅうアセモにつつまれて、二十八日ごろ熱射病とな....
「本困坊・呉清源十番碁観戦記」より 著者:坂口安吾
うこの旅館の庭は、深い緑が果てもなく、静寂が、目に心にしみてくるのであるが、こう
猛暑では、何がさて、あつい。 私も色々の対局を見たが、対局に、こんなに思いやり....
「魔像」より 著者:林不忘
に打水がにおって、もう苗売《なえう》りではない、金魚売り、すだれ売りだ。来るべき
猛暑《もうしょ》を思わせて、何となく倦《だる》い日が八百八町につづいている頃、本....
「江木欣々女史」より 著者:長谷川時雨
おいばし》を渡って来てくださったことを思出したり、厭《きら》いとなったら、どんな
猛暑にも雷が鳴り出すと蚊帳《かや》のなかでふとんをかぶっていられるので、ある時、....
「三国志」より 著者:吉川英治
の満を持し、敵の来るも遅しとばかり待っていた。 ――時は、夏の末。 草も木も
猛暑に萎えて、虻や蜂のうなりに肌を刺されながら、※統の軍隊は、燃ゆるが如き顔を並....
「三国志」より 著者:吉川英治
」 と、別れを告げた。 後主はいとも心細げに、 「南蛮は風土気候もただならぬ
猛暑の地と聞く。たれかほかの大将をつかわしてはどうか」 と、別れともない容子を....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
を初瀬川にそって、長谷寺の麓へ出ていた。 六月の日盛りである。 わけて今年は
猛暑だった。五月中から雨がなく、田は干ワレて、田植えもできない地方やら、立ち枯れ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
供を返せ。駒も一しょに」 「お帰りは」 「すこし浜を徒歩ってみたい。土用のような
猛暑だが、この夕凪の一ときで、あとは晩の涼風になろう。なにせい、やりきれん」 「....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
充分だったせいだろう、近年になく、ことしは稲の伸びがいい。しかしまた何十年ぶりの
猛暑だともいわれており、新田義貞の上洛途上では、飲み水や食中たりで、将士のうちで....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
前後にさわりもないかと思われます。(二六・八・五) * この夏の
猛暑のため、弱腸のぼく、ほとんど消化力を欠き、余りな節食を通したせいか、少々、原....