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「猛火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

猛火の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
ょう。しかしこの約束を守らなければ、(突然|真面目《まじめ》に)「いんへるの」の猛火に焼かれずとも、現世《げんぜ》に罰《ばち》が下《くだ》る筈です。 もう二年....
尼提」より 著者:芥川竜之介
おることは出来ませぬ。」 「いやいや、仏法《ぶっぽう》の貴賤を分たぬのはたとえば猛火《みょうか》の大小|好悪《こうお》を焼き尽してしまうのと変りはない。……」 ....
」より 著者:芥川竜之介
おうとした一人である。令息|武矩《たけのり》(三歳)はいかなる家族の手落からか、猛火の中の二階に残され、すでに灰燼《かいじん》となろうとしたところを、一匹の黒犬....
或る女」より 著者:有島武郎
倉地の要求に応じて行った。脳も心臓も振り回して、ゆすぶって、たたきつけて、一気に猛火であぶり立てるような激情、魂ばかりになったような、肉ばかりになったような極端....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
。坑の火はますます盛んに燃えあがって、広い宮殿をこがすばかりに紅く照らした。その猛火を背景にして、無数の剣のひかりは秋のすすきのように乱れた。雷震の鉞は大きい月....
人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
を失っていた。「亜細亜《アジア》製鉄所には既に暴動が起りました。製鉄所の建物は今猛火につつまれています。キューポラは爆発して熔鉄《ようてつ》が五百|米《メートル....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
るようになったが、男は女よりも八歳の年下であるので、若い恋人に対するお近の愛情は猛火のように燃えあがった。彼女は男を逃がさない手段として、自分の秘密を幸之助に打....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に逃げ場をさがしているのであろう。しかし人間に取っては怖ろしい道連れであるので、猛火に焼かれようとして逃げ惑っている人たちは、更にこの猛獣の出現におびやかされた....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
えひろがってゆくらしく、わずかに剰すところは西口の四谷方面だけで、私たちの三方は猛火に囲まれているのである。茶話会の群れのうちから若い人はひとり起ち、ふたり起っ....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
に眼を配る消火夫の水に濡れると忽ち白い煙を渦立たして噴き出した。満目唯惨憺として猛火の暴虐を語っていた。 焼けた材木を伝い、焼落ちた屋根の亜鉛板を踏んで、美術....
空襲警報」より 著者:海野十三
、姉さん、はやく……」 姉と坊やとを押しだすようにして庭へとびおりた。そのとき猛火はもう羽目板に燃えうつっていた。 廂からといわず、窓からといわず息づまるよ....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
うこの露地にも火がついたのだ。 彼は拡大してゆく事態に、底知れぬ恐怖を感じた。猛火に身体を包まれてはたまらないと思った。急速にその露地を通り抜けないともう危い....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、今までとは異って、西から東へと向きをかえた一|陣の烈風、あなやと思う間もなく、猛火は賊の隠れた反対の草叢へ移ってまいりました……。その時たちまち、右手に高く、....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
り、● 悪魔の舌のごとき焔は見る間に船中を這いまわり、続いて渦巻く黒煙とともに猛火は炎々と立ち昇る、余は甲板上に飛出したり、オオ余は我船を焼けり、我船を焼けり....
火に追われて」より 著者:岡本綺堂
えひろがってゆくらしく、わずかに剰すところは西口の四谷方面だけで、私たちの三方は猛火に囲まれているのである。茶話会の群のうちから若い人は一人起ち、ふたり起って、....