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「猟犬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

猟犬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
、錠がかかっていた筈だが。」 そう思うと共に陳彩《ちんさい》は、獲物を見つけた猟犬《りょうけん》のように、油断なくあたりへ気を配りながら、そっとその裏門の前へ....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
らない。 博士に聴きたい。そう思って博士の方を見るが、当の博士は、器械類の間を猟犬のように敏捷に縫いまわり、早口にしきりに部下を指揮している。だから話懸ける隙....
深夜の市長」より 著者:海野十三
水輪太郎が、お照の身体を押えるようにして引留めた。お照はそれは邪慳に払いのけて、猟犬のように飛び出そうとする。それを輪太郎が「これお照さん。――」とウンと引張っ....
三人の双生児」より 著者:海野十三
大きな眼鏡をかけて、ちょっとみたところ年齢のころは二十五六の、まずポインター種の猟犬が化けたような上品な婦人だった。妾は女探偵などというと、もっと身体の大きな体....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
かった。 その穽の中には一匹の古狐が坐って、何かの一巻を読んでいたので、すぐに猟犬を放してそれを咬み殺させた。それから狐の読んでいたものを検めると、それには大....
金属人間」より 著者:海野十三
力にすぐれていること、それから、ひとたび獲物《えもの》の匂《にお》いをかいだら、猟犬《りょうけん》のように、どこまでも追いかけ、追いつめることなどであった。 ....
独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
ち合わせがなかった。それで次回から、せいぜい気をつけることにして、金博士の身辺を猟犬の如く、或いはダニの如く、或いは空気の如く搦みついて、何を博士が実行に移して....
四次元漂流」より 著者:海野十三
究室に入ると雪子の大机の上へとびあがり窓をあけた。と彼の横をすりぬけて川北先生が猟犬のように窓からぽいと外へ飛びだした。 道夫もそれに続いて、窓を飛び越え、庭....
怪塔王」より 著者:海野十三
五百メートル先の草原に着陸しました。 「おのれ、分捕ってくれるぞ」 兵曹長は、猟犬のようにかけだしました。 2 ついに、生きのこりの隊長機のロケッ....
空襲下の日本」より 著者:海野十三
。皆がいいあわしたように咽喉へ両手をかけて、もがき死んでいる。その側には、立派な猟犬シェパードが、同じような向きに斃れている。赤ン坊を背負った若い内儀さんが、裾....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ったであります。銃の命中したその鳥は、沼の中心へ落ちたであります。従って高級なる猟犬として泳いだのであります。」 と明確に言った。 のみならず、紳士の舌には....
黒百合」より 著者:泉鏡花
立寄れば大樹の蔭で、涼しい服装、身軽な夏服を着けて、帽を目深に、洋杖も細いので、猟犬ジャム、のほうずに耳の大いのを後に従え、得々として出懸ける処、澄ましていたの....
野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ました。エリーザはおびえてしまいました。そのうちつの笛の音はずんずん近くなって。猟犬のほえる声もきこえました。エリーザはおどおどしながら、ほら穴のなかににげこん....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
雲の様に立ちのぼりました。そしてそれが水上を渡って向うへ消えたと思うと、幾匹かの猟犬が水草の中に跳び込んで来て、草を踏み折り踏み折り進んで行きました。可哀そうな....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ものは山羊のとおりの格好で跳ね廻り、あるものは馬の真似して跳躍し、またあるものは猟犬のごとく走り廻っていました。水泳タンクでも魚猿(尾のない、水泳を好む猿)の真....