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「献じる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

献じるの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
日にゃ、ある弁護士の細君をひっかけて、そのいきさつを書いた小説を御亭主の弁護士に献じるほど、すばらしい度胸のある人間なんだ。その隣のボヘミアン・ネクタイも、これ....
クララの出家」より 著者:有島武郎
せていた。彼女の心はそんな事には止ってはいなかった。唯心を籠めて浄い心身を基督に献じる機ばかりを窺っていたのだ。その中に十六歳の秋が来て、フランシスの前に懺悔を....
深夜の市長」より 著者:海野十三
絶え切れなくなった。この辺で燐寸を得るには、駅の前に行き、そこの売店へ一銭銅貨を献じるより外に手がない。僕は舌打をして、忌々しい一歩を踏みだそうとしたとき、 「....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、眉間尺の死骸は初めて仆れた。 旅の男はそれから楚王にまみえて、かの首と剣とを献じると、王は大いに喜んだ。 「これは勇士の首であるから、この儘にして置いては祟....
三国志」より 著者:吉川英治
もない人間ではないか。せっかく、自分の手に生擒った何儀を、縁もゆかりもない曹操へ献じる理由はない」 「おのれ一体、どこの何者か」 「おれは※だ」 「賊か。浪人か....
三国志」より 著者:吉川英治
の老媼が、 「貴人にあげて下さい」と、粟飯を炊いて来た。 楊奉の手から、それを献じると帝も皇后も、飢え渇えておられたところなので、すぐお口にされたが、どうして....
三国志」より 著者:吉川英治
うに」 賓主は、座をわかって、至極、打ちとけた容子である。そこへ、童子が、茶を献じる。 孔明は、茶をすすりながら、 「旧冬、雪の日に、お遺しあったご書簡を見....
三国志」より 著者:吉川英治
に働かせず、鞍脇にかかえて、たちまち、味方の船まで帰ってきた。 そして、孫権に献じると、孫権は眼をいからして、蘇飛を睨みつけ、 「以前、わが父孫堅を殺した敵将....
三国志」より 著者:吉川英治
うが」 孟達の顔を見ると、孟達も、ひとみをかがやかして、 「そうだ、曹操へ蜀を献じるくらいなら、玄徳を主と仰いだほうがはるかにいい。本来、初めから玄徳へ使いす....
三国志」より 著者:吉川英治
いに立った。曹操も、この辺がしおどきと考えたか、 「中央の府に対し、毎年、貢ぎを献じるというならば」と案外、受けやすい条件を出して答えたので、和睦はたちまちまと....