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献身
「献身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
献身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
しだった。それゆえか、カラ子はひとから優しくされたいと願う前に、まず自分の方から
献身して媚びて行こうとした。しぜん、ひとから頼まれごとをするのが好きだった。いや....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
愛他主義の倫理観が構成される。そして人間生活に於ける最も崇高な行為として犠牲とか
献身とかいう徳行が高調される。そして更にこの観念が、利己主義の急所を衝くべき最も....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
はじめての男として……また、ゴリラと親和した唯一の人として……ことに、あなたへの
献身をいちばん誇りとする……。 いま、午後だが大雷雨になってきた。もう一日、こ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
「許して下さい。お宅へ参って、朝夕、貴女に接したのが因果です。賢君に対して殆んど
献身的に尽したのは、やがて、これ、貴女に生命を捧げていたのです。 未だ四十とい....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ひらに洗礼者の油を塗る抹油式、それが済んでから、司教と声をそろえて勤める神聖なる
献身の式が終わるのであります。 ああ、しかしヨブ(旧約ヨブ記の主人公)が、「眼....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
千八百六十一年、女史の三十歳のときに、南北戦争が起り、女史は篤志看護婦となって
献身的なはたらきをしました。その後、三十七歳に「若草物語」つづいて、「グッド・ワ....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
若くみえるといわれるほどの美しい婦人で、種々の婦人事業や貧民救済事業にもほとんど
献身的に働いていることは何人も知っている。その主人公の深見氏もまた実業界において....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
来なかった。されば吾々は先ず、『吾々は祖国を持つ事が出来るだろうか』と云う問題に
献身して、此の祖国を建設する事に努めなければならなかったのだ。斯くてイタリイの芸....
「寡婦」より 著者:秋田滋
がこの人たちを駆って、とんでもない熱狂的なことをさせたり、狂気の沙汰とも云うべき
献身的なことをやらせたり、果ては犯罪をさえ犯させるのでした。この人たちにとっては....
「瘤」より 著者:犬田卯
なきを得ていたし、村内殆んど全部の地主たちは、かつて左翼華やかなりし頃、この瘤の
献身的な強圧のお蔭を被って滞りなく小作米を取り立てていた。 自小作農にいたって....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ったろう。たぶん、ただ一つだけ――だが、それも今は与えられた。「芸術」への永遠の
献身がそれである。ここに魅力ある言葉をもって、ひとときの美と、人間の運命の広さ大....
「正に芸術の試煉期」より 著者:小川未明
とを否定できない。 狡猾なる徒は、巧に良心をも詐わるであろう。そして、第一義の
献身的、教化的精神に立つことを回避する。それには、困苦と闘争が予想されるからだ。....
「貧乏線に終始して」より 著者:小川未明
、殆んど、狂熱的に、自己を鞭打ったものは、自分の意志より他にない。そして柔順で、
献身的であった、妻の愛に救われたというより他に、何ものかありません。『彼は、其の....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
来なくなった、君のうるさい深情けは僕を気狂いにさせる。痒いところに手の届くような
献身的なつとめぶりは全く有難迷惑で胸がむかむかする。君と一緒にいると僕は頭が変に....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
。それは「聖なる芸術への」(〔an die go:ttliche Kunst〕)
献身と、他人を幸福にするための行ないとである。 〔Von Kindheit a....