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猿股
「猿股〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
猿股の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
。
その翌々日の午後、義捐金《ぎえんきん》の一部をさいてあがなった、四百余の
猿股《さるまた》を罹災民諸君に寄贈することになった。皆で、
猿股の一ダースを入れた....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
場《とうあんしじょう》の側の洗濯屋である。これだけは今後も実行しなければならぬ。
猿股《さるまた》やズボン下や靴下にはいつも馬の毛がくっついているから。……
「十....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
|相集《あいあつま》って盛んに盆踊りをやっているが、我が一行の扮装《いでたち》は
猿股一つの裸体《はだか》もあれば白洋服もあり、月の光に遠望すれば巡査の一行かとも....
「世相」より 著者:織田作之助
色にはれ上り、血がにじんでいる。師走だというのに夏服で、ズボンの股が大きく破れて
猿股が見え、首に汚れたタオルを巻いているのは、寒さをしのぐためであろう。 「はい....
「振動魔」より 著者:海野十三
自邸に訪問しようと考えた。 僕は、帯をほどいて衣服をうしろにかなぐり捨てると、
猿股一枚になって、うららかな太陽の光のあたる縁側にとび出し、、ほの温い輻射熱を背....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
庵主は実に若々しい女性であることがハッキリ感じられた。 「おやッ――」 きつい
猿股のようなものが履されたと思うと、次には胸のところから踵のところへ届くほどのサ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
んの」といいながら、佐々砲弾は脱いだ服のポケットから小さい帳面と鉛筆とを出して、
猿股一つのまま、学士の前へ進み出た。 「ところで一つ話をして下さい。大隅さんは此....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
だで、キーキー声をあげて抵抗する机博士を、またたくうちに素っ裸にした。 博士は
猿股ひとつになって、コンニャクのようにブルブルふるえている。そのからだを、三重ヴ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
はアッといって目をむいた。 「うわーッ、旗男君。その恰好はなんだ。早く家へ入って
猿股をはいてこんか」 と、国彦中尉が大喝した。それをキッカケに、井戸端からドッ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
に、大な男が、褌を真正面に顕われる。続いて、足早に刻んで下りたのは、政治狂の黒い
猿股です。ぎしぎしと音がして、青黄色に膨れた、投機家が、豚を一匹、まるで吸った蛭....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
覆を屋根の下にたぐり寄せた生臭い匂いのする軒先で、もう店をしもうたらしい若者が、
猿股一つの裸に鈍い軒灯の光をあびながら将棋をしていましたが、浜子を見ると、どこ行....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
帰つてくると何もしないでたばこをすつたりひるねをしたりして日を送つた。 いつも
猿股と腹巻をしてその上に何か尻までくらいある薄いものを引つかけていた。 話ぶり....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
屍体」を顎でしゃくりながらお品へ云った。 「この死人をよく見てくれ。都合で監督の
猿股などはかされているが、お前には、見覚えのある体だろう」 始め女は、死人にお....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
もとて、嘉助氏も六尺褌を解く。碧洋と義三郎氏とは解こうとせず。西洋人の真似して、
猿股を着けおれるなるべし、
猿股にては、緊褌一番ということも出来ず。変に処して、何....
「大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
る」と述ぶるが如き、みな彼独特のユーモアと警句とでないものはない。 渡欧に際し
猿股のことばかり考えて居て絵具箱を携帯する事を忘れて了ったと、私は神戸の埠頭に於....