獄囚[語句情報] »
獄囚
「獄囚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
獄囚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
に押えつけた。彼のペンは容易にはかどらなかった。
アイヌと、熊と、樺戸監獄の脱
獄囚との隠れ家だとされているこの千歳の山の中から、一個の榴弾《りゅうだん》を中央....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
の給養や労働状態について、英国政府が調査した結果からマルクスは、ポートランドの監
獄囚徒が、農業労働者や、植字工などよりも、よい営養をとっていたことを証明している....
「白菊」より 著者:夢野久作
脱
獄囚の虎蔵は、深夜の街道の中央に立ち悚んだ。 黒血だらけの引っ掻き傷と、泥と、....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
って来たのだった。僕は卓子の前から、ずいぶん長い尻を上げた。 僕はなんとなく脱
獄囚のような素振りになるのを自分でも苦笑しながら、密かに夜の城東の一廓に紛れこん....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
歴まで見破った例が少くないが、それだけに私の眼は鋭い光りを放っていた。嘗て或る脱
獄囚が、立派な紳士の服装をしているのを、どこかの職工が金でも儲けたのか知らんと思....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
門口から覗き込んでみると、開いた口が三十分ばかり塞がらなかった。 鬚だらけの脱
獄囚みたいな友吉おやじと、鶴髪童顔、長髯の神仙じみた老ドクトルが、グラグラ煮立っ....
「継子」より 著者:夢野久作
んでいる中にあの女が、あの女の前の夫を馬鹿にしている。自分を怨んでいる前の夫の脱
獄囚を嘲笑い振り棄てて自分一人でうまいことをして逃げようとしている。うっかりする....
「キチガイ地獄」より 著者:夢野久作
へでも駈け込んで、 「……タ……大変だ……谷山家の重大秘密だ……二重結婚だ……脱
獄囚の妻だ……天女の姿をした猛獣だ……」 なぞとアラレもない事を口走るようにな....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
倉庫エレベーターで下へおりようとしましたところ、エレベーターの綱条につかまって脱
獄囚が下からどやどやと上ってきたのにはおどろきました」 「綱条につかまって上るな....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、着物を手に入れることができた。バラギエの付近に一軒の居酒屋があって、その当時脱
獄囚のために着物を売っていた。非常に儲《もう》かる商売だそうである。それからジャ....
「流転」より 著者:山下利三郎
上は帰ってしまったのだ……それから私はこんな氷雨ふる夜を捕吏に逐われて逃げ廻る破
獄囚のことを考えながら、あの窓から覗いて……あの煙草屋の前を力なげに歩んでいる放....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
いのではなからうか。 針金渡りやピストル強盗の一人芝居をして自由党壮士くずれ脱
獄囚と自称した、矯躯の奇人日本太郎とくると、もはや大正寄席風物詩中の登場人物だか....
「秘密」より 著者:平林初之輔
とうとう私は今までかくれとおしてしまったのでございます。 しかし、いつまでも脱
獄囚でかくれおおせるわけはありませんし、娘も脱
獄囚の娘ではどこでもつかってくれ手....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
を聞いていたのだから。 彼女の驚いている顔を見ながら、落付き払って、 「私は脱
獄囚尾越千造でございます」と名乗った。洋子は二度びっくりした。 「お驚きになりま....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
き纏わるべき筈はないのである。「西宮記」巻廿三臨時十一与奪事の条に、役おわりたる
獄囚を放免するの儀を叙して、 勘問式云、尉乍押歟) 今案、件免物、近代向之。一拝....