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「獣医〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

獣医の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
議相《ふしぎそう》な顔をして押寄せた人波を見守って立ってる外《ほか》はなかった。獣医の心得もある蹄鉄屋《ていてつや》の顔を群集の中に見出してようやく正気に返った....
奈々子」より 著者:伊藤左千夫
ったような気がしてならない。 一つの乳牛に消化不良なのがあって、今井《いまい》獣医の来たのは井戸ばたに夕日の影の薄いころであった。自分は今井とともに牛を見て、....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
わけだ。花柳病にかかって、間接に子種を亡ぼしたのは云う迄もないだろう」 又或る獣医はこんな話をした。 「牝馬で競馬に出る位の気の勝った馬は、いくら種をかけても....
去年」より 著者:伊藤左千夫
衰え、目が闇涙を帯んでる。僕は一見して見込みがないと思った。 とにかくさっそく獣医に見せたけれど、獣医の診断も曖昧であった。三日目にはいけなかった。間の悪いこ....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
塀を境にして、屠場に続いている。 屠牛の二 黒い外套に鳥打帽を冠った獣医が入って来た。人々は互に新年の挨拶を取換した。屠手の群はいずれも白い被服を着....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
て殊に有数なるの馬匹を二十余頭は斃れ、尚追々病馬あり、此上は如何なるべき乎、關川獣医の説によれば、病症不明にして治療に於けるも拠るべき処なしと、依て今後は如何な....
家なき子」より 著者:楠山正雄
だちであり、仲間でありますか。どうしてこれほどのふしぎな才能を持った動物をただの獣医やなどに任されるものではない。村の獣医というものはばかであって、その代わりど....
家なき子」より 著者:楠山正雄
わたしたちは二人とも、なにを目標に雌牛のよしあしを見分けるか知らなかったから、獣医の世話になることにした。わたしたちはよく牛を買うときに詐欺に会う話を聞いてい....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
こに至れば完全な牧場を設けて、この両者を活かすよりほかなしと決意した。 そこで獣医学校の大槻雅得氏に設計を託し、三井家の牧場をも参酌して、きわめて小規模ながら....
博物誌」より 著者:岸田国士
リップの心配そうな様子は、私たちみんなに乗り移る。子供たちまで起き出そうとする。獣医がやって来て、ブリュネットを診察し、牛小屋から出してみる。彼女は壁に突き当り....
可愛い女」より 著者:神西清
、来る夜も来る夜も眠らずに泣いていた。ときどき宵の口に、彼女のところへ連隊づきの獣医でスミールニンという、彼女の屋敷の離れを借りている若い男がやって来た。彼が何....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
弄ぶだけだ。夫人の興味は直き次に移って犬のドクトルが部屋に呼び付けられた。老人の獣医は毎金曜、狆の歯を磨きに午前中だけ通って来る。今も玄関の側部屋で仕事にかかっ....
チェーホフ試論」より 著者:神西清
ない、人間に要るのは、自由な精神を思う存分に発揮できる全地球だ全自然だと、作中の獣医に叫ばせているのである。では、それでトルストイとは縁切りか。 ところが、ト....
おじいさんの家」より 著者:小川未明
がらいわれました。 姉さんは、ボンの苦しむのを見てかわいそうに思って、さっそく獣医のもとへボンを車に乗せて連れていこうといいました。お母さんもそれがいいという....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
は三家者とも云ったのであった。袋中和尚の「泥※の道」には、いわゆるエタも非人も、獣医すなわち伯楽も、関守、渡し守、弦差すなわち犬神人などの徒をも、みな一緒にして....