» 獣慾

「獣慾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

獣慾の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
親切にしてくれた恩を謝するために一日 を読みました。その日は私共の同行者は実に獣慾的快楽を極めて居りましたがその有様はいかにもいうに忍びないから止します。その....
愛の問題(夫婦愛)」より 著者:倉田百三
男性にあらわれる生活精力上、審美上、優生学上の天然の意志については、婦人は簡単に獣慾とか、不貞操とか考えたのでは実相にあたらない。したがってただそれだけで、夫の....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
田へ帰りました。その留守の閨淋しさに私は女中の貞に挑みかゝり、とう/\暴力を以て獣慾を遂げて終ったのです」 支倉は云い悪くそうにポツリ/\と口を切りながら、漸....
苦力頭の表情」より 著者:里村欣三
。 女は眼をひらくと、不審な眼付で俺をみつめていたが、やがてまた手を掴んで俺の獣慾を挑発しようとした。俺は人間をみずに、また忽ち淫売婦を感じた。俺は泣くに泣か....
都会の幽気」より 著者:豊島与志雄
ど》をはいてのたうち廻っていた。酒に酔った不良性の男が、美しい女中を引張り込んで獣慾を遂げていた。凶器を手にした盗人が、窓の戸をこじあけて覗き込んでいた。其他さ....
西瓜」より 著者:永井荷風
すれば、この不幸はその起らざる以前に妨止せねばならない。わたくしは自ら制しがたい獣慾と情緒とのために、幾度《いくたび》となく婦女と同棲したことがあったが、避姙の....
坑夫」より 著者:夏目漱石
度合やらをだんだん腹に畳み込んでいたが、最初は総体の顔が総体に骨と眼でできた上に獣慾の脂《あぶら》が浮いているところばかり眼に着いて、どれも、これも差別がないよ....
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
て、酒の気《け》が廻って、当分の間ほかの慾がなくなった乞食は、女を見るや否や急に獣慾を遂行する。――この話しはモーパッサンの書いたものにあるそうですが、私は読ん....
日本男子論」より 著者:福沢諭吉
ばこそ、敢《あ》えてこれを明言する者なけれども、その実は万物の霊たるを忘れて単に獣慾の奴隷たる者さえなきにあらず。 いやしくも潔清《けっせい》無垢《むく》の位....
日輪」より 著者:横光利一
後に剣を抜いた数人の兵士に守られて、広間の中へ連れられた。君長は卑弥呼を見ると、獣慾に声を失った笑顔の中から今や手を延さんと思われるばかりに、その肥えた体躯を揺....