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獣欲
「獣欲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
獣欲の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藁草履」より 著者:島崎藤村
を張って待っていた番人の家へ出掛けて行って、前《さき》の約束を断ろうとすると――
獣欲で饑渇《うえかわ》いた男のことですから堪《たま》りません、復たお隅は辱《はず....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
徳にまで高められるのである。カフェーに特有なこの享楽主義を唯物論(?)(牛飲馬食
獣欲主義)の一種と見るならば、この道徳は更に哲学的基礎づけにまでさえ高められるだ....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
―いや、それとも違う……魔人の習作だ。いや人間と悪魔の合作になる曲面体――それも
獣欲曲面体……」 「えっ、何の曲面体?」 このとき帆村は、はっと吾れにかえり、....
「地上」より 著者:島田清次郎
学を噛りはじめていたものだ、ゾラやモウパッサンやの名を己は暗誦したものだ。そして
獣欲を描いた小説に読み耽ったのだからたまるまい。己の年齢で真にそうしたものに興味....
「悪魔の聖壇」より 著者:平林初之輔
信者に懺悔をしいて秘密を告白させては、相手の弱点をにぎり、それをたねに脅迫して、
獣欲を恣《ほしいまま》にし、私財を蓄えていたのです。皆さん、皆さんはどなたも神の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
しげな想像図に眩めくほど、分っている。 「……ひどいことをなさるもの」と、主君の
獣欲ぶりに舌を巻く。 いや主君の好色は驚くに足りないが、その豹変ぶりには、ただ....