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獣皮
「獣皮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
獣皮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
いた階段を見せている。錆びた朱いろの絨緞を敷きつめたところどころに、外国製らしい
獣皮の剥製が置いてあり、石膏の女神像や銅像の武者像などが、規律よく並んでいる。 ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
反対であった。真面目で熱烈で堅実でいかにも部落の若者らしい。縞の筒袖に山袴を穿き
獣皮の帯を締めている。 白衣の人物はそれとは異なり真に神のように神々しい。抜け....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
なぜなら、コペンハアゲンそのものが「こまかい花文字でべったり書かれて、唐草模様の
獣皮の表紙に真鍮の鋲を打ち、ゴセックふうの太い釦金で綴じてある」一巻の美装史書だ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て福島の宿駅を立ち出でることしばし、 「あ、忘れた」 と馬上で叫び出し、 「あの
獣皮屋《けがわや》へ、熊胆《くまのい》のいいところを一くくりあつらえて、昨夜《ゆ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
平部がある櫂で、舟の左右両側で交々水を掻くのである。 六八 革舟。――木の骨組に
獣皮を張って造った原始的な小舟。今日でもウェールズ、アイルランド、フランスなどの....
「映画雑感(Ⅵ)」より 著者:寺田寅彦
の息を吹込む」巫女の挙動も実に珍しい見物である。はじめには負傷者の床の上で一枚の
獣皮を頭から被って俯伏しになっているが、やがてぶるぶると大きくふるえ出す、やがて....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
いかにも呼吸苦しそうに紋太夫は云うのであった。 で、十平太は書籍を出した。黒い
獣皮で装幀された厚い小型の本である。 「これだよ、地理書は! ああこれだよ!」 ....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
た。十里の道を二日かかってロブノール湖まで歩いて行った。既に土人が用意して置いた
獣皮の小船が湖の岸に音もなく静かに浮いていた。三人はそれへ飛び乗った。巧みに老人....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
た。 入って真っ先に驚いたのは、何とも云われない悪臭であった。 不浄の匂い、
獣皮の匂い、腐肉の匂い、襤褸の匂い――、いろいろの悪臭が集まって、一つになった得....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
を掛けて引き裂いてしまった……ごらんよ、裸体の人間たちが大きな大きな歯朶の蔭へ、
獣皮の天幕を張ったから。篝火が幾つとなく燃えているよ。照らされているのは何だろう....
「多神教」より 著者:泉鏡花
の梟、羽を生せ。(戯れながら――熊手にかけて、白拍子の躯、藁人形、そのほか、釘、
獣皮などを掻き浚う。) 巫女 さ、このお娘。――貴女様に、御挨拶申上げて…… お....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
英領インドの方へ輸出する品物は羊毛がおもで、次が麝香、ヤクの尾、毛皮、
獣皮|位のもので、なお細かな物は少し位ずつ出るです。あるいは経文とか仏像とかいう....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ップと名づくる蛮族あり。もとスウェーデンのラップランドより移住し来たるものなり。
獣皮を着、異帽をかぶり、道を遮りて、トナカイの角にて造りたる物品を販売す。一見わ....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
、あえて穢となし給わなかったのである。ことに「食鑑」の著者の自ら謂う如く、エタが
獣皮から作った膠皮は少しも穢れとはせず、高貴の御方でもこれを以て製した墨を手にし....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
エタと同じく、皮剥ぎ沓作りを職としたもので、聖人も少年の時には、自らお手のものの
獣皮で鼓を張って、嬉戯にも軍陣の真似をなされたのだとか、日蓮宗に団扇太鼓を打って....