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「玄人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

玄人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ででもあったのか、それとも良人《おっと》の心を迎えるためにそう造ったのか、どこか玄人《くろうと》じみたきれいな丸髷《まるまげ》の女が着飾って、三人の少女を膝《ひ....
或る女」より 著者:有島武郎
先案内のやつらはくわしい海図を自分で作って持っとる。要塞地《ようさいち》の様子も玄人《くろうと》以上ださ。それを集めにかかってみた。思うようには行かんが、食うだ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
野蛮な自然民はこの有力な精霊を魔法によって動かそうと試みる。その法術にかけては玄人であるところの医者または僧侶が他の人間には手の届かない知恵をもっているのであ....
地獄街道」より 著者:海野十三
法網をくぐるために、酒瓶の如きも普通のウイスキーの壜に入れ、ただレッテルの上に、玄人でなければ判らない目印を入れてある。こうした妖酒のあることは君にも判るだろう....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
は軽く笑い出した。そして、冷やかな調子で口を入れた。 「成る程ね。しかしわれわれ玄人側から見ると、貴方のそのお考えには、少々異論が出ますな……」 東屋氏の顔が....
あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
の「つぼ半」という待合の女将で、名前は福田きぬ、年は三十そこそこの、どう見たって玄人あがりのシャンとした中年増なんです…… ところで、いよいよ証人の宣誓も済ま....
食魔」より 著者:岡本かの子
覚を持つ彼の本能は自ずと働いていた。夫人の食品の好みは専門的に見て、素人なのだか玄人なのだか判らなかった。しかし嗜求する虫の性質はほぼ判った。 鼈四郎は、献立....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
代に於いては動かすべからざる格言として何人にも信ぜられていた。劇場内部のいわゆる玄人は勿論のこと、外部の素人もみんなそう信じていた。今日の眼から観れば、みずから....
暗号の役割」より 著者:海野十三
っていたんではね」 「しかし、うまく行きゃいいが……袋猫々の金庫は厳重なことで、玄人の間にゃ有名だからな」 烏啼はいつになく心配顔で元気がない。 しかし自動....
」より 著者:海野十三
「素人に、何が分る。雷は、お前たちの手にはどうにもなりゃしない」 「では、雷には玄人の旦那には、雷が手玉に取れるとでも云うのですかネ。そんなことがあれば、仕事の....
人造人間事件」より 著者:海野十三
話で雁金さんが僕に暗示を与えて下すったので、発見できたものですよ。貴官はやっぱり玄人中の玄人ですね。いやとても僕なんかの及ぶところではありません」 と帆村は真....
売春婦リゼット」より 著者:岡本かの子
ない男だった。彼女は云った。 「まあ、知れるまで知らないことにしようよ。あいつに玄人のやることはめったに判りゃしないから。」 三人は修繕中のサン・ドニの門を潜....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
にしろ、祖母には四人の息子があって、そのうちの一人が僕の父だが、四人とも骨牌では玄人の方であったし、その秘密を明かしてくれれば叔父や父ばかりでなく、僕にだってま....
式部小路」より 著者:泉鏡花
けて、と奴十七日だけれども、小遣がないのである。而已ならず、乙姫様が囲われたか、玄人でなし、堅気でなし、粋で自堕落の風のない、品がいいのに、媚かしく、澄ましたよ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
「よく、楽屋で騒ぎませんでしたね。」 「騒ぐ間がありゃしない。また騒いだ処で、玄人の連中は、いずれ東京へ出れば世話になろうと思うから、そっとして置いたのさ。そ....