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玄関番
「玄関番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
玄関番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ほえみながら古藤が二人を塾につれて行った時の様子を想像してみた。例のようにどこの
玄関番かと思われる風体《ふうてい》をして、髪を刈る時のほか剃《す》らない顎《あご....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
すか?」と、玄関へ入るなり彼は呶鳴った。 「いや、おいでになりませんよ。」という
玄関番の答えだ。「たった今お出かけになったばかりで。」 「さあ、困ったぞ!」 「....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
なんにも、女のけはその三人。男のけは、例のおやじと、小田切のだんなと、もうひとり
玄関番の三人きりで、ご内室はとうになくなったっていうんだから、いずれその姉妹がい....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
たと仰有ったが、それを立証する道はありますか」 「ありますとも。クラブには徹夜の
玄関番が居ますからね、会員が帰ればちゃんとしるしを付けることになっています」 「....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
、緋、紫、金襴、緞子を装うて、伽藍に処すること、高家諸侯の如く、あるいは仏菩薩の
玄関番として、衆俗を、受附で威張って追払うようなのが少くない。 そんなのは、僧....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
ながらそうではない。我ながらちょっとしおらしいほどに思う。かつて少年の頃、師家の
玄関番をしていた折から、美しいその令夫人のおともをして、某子爵家の、前記のあたり....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
でも往来の塵埃なんぞに、肺病の虫がまざって、鼻ンなかへ飛込むのを、髯がね、つまり
玄関番見たようなもので、喰留めて入れないンだッさ。見得でも何でもないけれど、身体....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
官の重そうな深靴や、社交界の人びとの絹の靴下や靴があらわれた。毛皮や羅紗の外套が
玄関番の大男の前をつづいて通った。 ヘルマンは立ち停まった。 「どなたのお邸で....
「お魚女史」より 著者:坂口安吾
ハハ、ボクがね、あなた小説かいてるのッて、きいたんだ。するとねエ、アンタ、書生?
玄関番? て訊きやがんのさ。ボク、編輯長ですよッて言ったんだ。オドロカねえのさ。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
まり夜は更けて人の気配もなくなったのに、まち子の姿が現れない。たまりかねて本殿の
玄関番にきいてみると、もうとッくにお帰りだぜ、という返事。それでは多くの人の往来....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
伯もいつか狂信して、志呂足の長女比良をめとり、千頭家の番頭よりも、山の神の忠実な
玄関番になってしまった。下男も女中もみんな志呂足の信者となって、広い邸内に千代の....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
に対する礼儀であって、師礼を執って教を受けた関係でなかったのは容易に想像される。
玄関番の書生が主人を先生と呼ぶようなものだ。もっとも一字の師恩、一飯の恩という事....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
人心地もなく小刻につかつかと踵を返した。 鳳仙花の咲いた処でぬっと出て来たのは
玄関番、洗晒した筒袖の浴衣に、白地棒縞の袴を穿いた、見知越の書生で、 (やあ、貴....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
た。新裁下しのセルの単衣に大巾縮緬の兵児帯をグルグル巻きつけたこの頃のYの服装は
玄関番の書生としては分に過ぎていた。奥さんから貰ったと自慢そうに見せた繍いつぶし....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
田は簡樸質素の学究、古川は卓落|不覊の逸民、陸は狷介気を吐く野客であった。而して
玄関番は高田屋嘉兵衛、幸太夫に継いでの露国探険者たる一代の奇矯児寿安老人であった....