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「玉の輿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

玉の輿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ょうじょう》じゃった。では、せいぜいお客をたいせつに勤め果たして、はようそなたも玉の輿《こし》にお乗りなせえよ」 あっさりいうとすうと立ち上がって、おどろきあ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
もうつまらない小かせぎは、これっきりおやめなせえな。みりゃ、どこへ突き出したって玉の輿《こし》に乗られるご器量じゃござんせんか。だから、あすにでも堅気におなんな....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
札があるぜ」 「恐れ入ってござります……」 「恐れ入っただけじゃわかりませんよ。玉の輿《こし》に乗ろうと思えば、いくらでも乗られるそのご器量で、この大仕組みの茶....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ゃござんせんか、一年知らぬまに茶屋女のお喜久めが、いつのまにか尾州様のけっこうな玉の輿《こし》に乗って、あっしとらにゃめったに拝むこともならねえお手かけさまに出....
縮図」より 著者:徳田秋声
からぬ筋道でもないのであった。 しかし新橋や柳橋に左褄を取るものが、皆が皆まで玉の輿に乗るものとは限らず、今は世のなかの秩序も調って来たので、二号として顕要の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
手に致さぬ者を、知らぬ土地とはいえ、この甲府へ来て、あの出世、氏《うじ》のうして玉の輿《こし》とはよく言うたもの。ただし女は出世で済まそうとも、済まぬは我々旗本....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
んとにあの人は仕合せ者だよ、甲府の御城内でお歴々のお方を擒《とりこ》にして、今は玉の輿《こし》という身分でたいした出世なのに、わたしたちなんぞは、いつまでもこん....
やもり物語」より 著者:寺田寅彦
大尉とかの妻になったと聞いた。事によれば今も同じ東京に居るかも知れぬ。彼は云わば玉の輿にのったとも云われようが、自分の境遇は随分変った。たとえ昔のお房に再会する....
頸飾り」より 著者:辻潤
生活を送らなければならないのかと真から身の不幸せを歎いていた。成程女は氏なくして玉の輿という、生来の美しさ、優やかさ、艶やかさ、それらがやがて地位なり、財産とい....
村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
珍らしいあのお種、ナーニ年期の済まねえ中に落籍されるのは知れたこと。女氏無くして玉の輿、立身出世しようもしれぬ。そうなると差し詰めお前達夫婦は、左|団扇の楽隠居....
深川女房」より 著者:小栗風葉
ぞ年が若いから、もしね、人並みの顔や姿でとんだ自惚れでも持って、あの、口なくして玉の輿なんて草双紙にでもあるようなことを考えてるなら、それこそ大間違い! 妾手掛....
おせん」より 著者:邦枝完二
からの申込みも二三は数えられたが、その度毎に、おせんの首は横に振られて、あったら玉の輿に乗りそこねるかと人々を惜しがらせて来た腑甲斐なさ、しかも胸に秘めた菊之丞....
三枚続」より 著者:泉鏡花
向うに折曲って縁側が見えた。 一体いつもこの邸の門前には、馬車か、俥か、当世の玉の輿の着いていないことはない。居廻の者は誰|謂うとなく加茂川の横町を、根岸の馬....
式部小路」より 著者:泉鏡花
低頭に及んだくらいで、天下この人に限ってはとは思うが、そこは女。 実は乗りたや玉の輿で、いずれ、お手車|処は確に見える。自然と気ぐらいが高くなっているのであろ....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
ったものだった」 「夫人はどこから嫁に来たんだね?」 「それがさ。所謂氏なくして玉の輿に乗った人で、日本橋辺の旧い薬種屋の娘で女医学校を卒業し就職を求めにある医....