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「玉屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

玉屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
橋から銀座という東京目抜の通りに来ると、余り眼に付かない。三越、丸善、ホシ製薬、玉屋、天賞堂、白木屋と、まだいくらでもある有名な大商店、大銀行、大会社、大ビルデ....
蠅男」より 著者:海野十三
所の人の眼を奪っている分離派風の明るい洋館があった。 太い御影石の門柱には、「玉屋」とただ二字だけ彫ったブロンズの標札が埋めこんであったが、これぞいまラジオ受....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
つつあるのである。 川開き 両国の川開きは年々の隅田川夕涼みの魁をなし、昔は玉屋鍵屋が承って五月二十八日より上流下流に大伝馬をもやいて大花火、仕掛花火を打揚....
銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
こる。 芝居がはねて後に一同で銀座までぶらぶら歩いたものらしい。そうして当時の玉屋の店へはいって父が時計か何かをひやかしたと思われる。とにかくその時の玉屋の店....
南地心中」より 著者:泉鏡花
を店へ哄と……津波の余残は太左衛門橋、戒橋、相生橋に溢れかかり、畳屋町、笠屋町、玉屋町を横筋に渦巻き落ちる。 見よ、見よ、鴉が蔽いかかって、人の目、頭に、嘴を....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
は昔とは全然違ってしまいました」 由「えゝ大した勉強な事で」 女「是までの東京の玉屋鍵屋などで拵える仕掛とは違いまして、ポッポと赤い火や青い火が燃えまして誠に不....
露肆」より 著者:泉鏡花
引返す……煙草入に引懸っただぼ鯊を、鳥の毛の采配で釣ろうと構えて、ストンと外した玉屋の爺様が、餌箱を検べる体に、財布を覗いて鬱ぎ込む、歯磨屋の卓子の上に、お試用....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
記」に詳しく書いてある。円朝は千住から竹の塚、越ヶ谷を経て、第一日の夜は大沢町の玉屋という宿屋に泊まった。この方面には汽車の開通しない時代であるから、道中は捗取....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ればならん」 こう云って、きかばこそ、長男の正司、そのころまだ十という子供を、玉屋という出入りの菓子屋へデッチ奉公にやってしまった。 「御大身の若様を手前ども....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
母に当るお筆の三人が住んでいた。そのお筆は、はや九十に近いけれども、若い頃には、玉屋山三郎の火焔宝珠と云われた程の太夫であった。しかも、その源氏名の濃紫と云う名....
頸飾り」より 著者:辻潤
にかしてあの飾りを返さなければならない」 で、翌日飾りの入っていた箱を持って宝玉屋に行った。幸い宝玉屋の名が箱に記してあったので――宝玉屋は帳面を色々と繰って....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
たはじめであったろう。 その三つ。突如として大きな音響が聞える。それと同時に、玉屋鍵屋の声々がどっと起る。大河ぶちの桟敷を一ぱいに埋めた見物客がその顔を空へ仰....
乳を刺す」より 著者:邦枝完二
をつるして、仏を迎えたものであったが、天保の今では、まったく廃れて、寺々や吉原の玉屋|山三郎の見世に、その面影をしのぶばかり。しかも、鉄砲組同心の住む、青山百人....
呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
ちょっと、あたしに、その電報|頂戴よ」 五月の薄曇りの午前に、千歳は箱根湯本の玉屋の入口の暖簾を潜った。入れ違いに燕が白い腹を閃かして出た。 「やあ、来ました....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
、松平翁は一種の鬼才を持ったえら物であったのだろうと思われる。 さえぐさも古く玉屋も古い。玉屋の昔の建物はおとなしい明治味の洋館で、また油絵々具の最初の輸入店....