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「玉砂利〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

玉砂利の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旅愁」より 著者:横光利一
辺侯爵の別邸は霊南坂を登った裏の高台にあった。重い閂のかかった両扉の門柱の間から玉砂利が見えた。矢代が塩野と連れ立って門を這入ると、寒むげな唇の色で、肩を縮めて....
未亡人」より 著者:豊島与志雄
もう小鳥の声も聞えていて、植込みの木々も若芽をふくらましていました。そこの一隅、玉砂利の上に屈みこみ、陽光のなかに立ち昇る線香の淡い煙を、肩先に受けて、黒御影石....
だいこん」より 著者:久生十蘭
ろうとしているところだった。 ヘッド・ライトで樹墻《じゅしょう》を照しながら、玉砂利の道をうねりあがって行くと、ひろびろとした園遊会向きの芝生のむこうに、柱廊....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
「寄合公事でございます」 「そんならば西の腰掛へ行け」 「ありがとうございます」玉砂利を敷いた道をしばらく行くと、腰掛場があって床几に大勢の公事師が呼出しを待っ....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
れとも、グレープ?」 「どちらでも」 冷蔵庫のあるほうへ立ちかけたとき、玄関の玉砂利を踏んでくる靴の音がきこえた。 「しようがねえな、玄関を開けっぱなしにして....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ないものがあるのだった。 「下馬」 と、高札が見える。 伝奏屋敷の門だった。玉砂利をしきつめた門前に、駒つなぎがある。武蔵がそこで降りていると、すぐ一名の役....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
先である。 「お早う」 と、その眼八が門に立った。 黒い冠木門の外から中へ、玉砂利が奥ふかくしきつめてある。城下代官と町奉行を兼ねている桐井角兵衛の役宅だ。....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
境はしずかであった。爽やかな京の秋がおとずれている。 部屋の前はひろい河原で、玉砂利と雑草とを縫う幾すじもの清冽は、加茂の水と高野川の末がここで落ちあっている....
私本太平記」より 著者:吉川英治
観だな。 と、特に腹を締めて見まもっていたものらしい。 どんな僧でも、ここの玉砂利に引き据えられれば、一応の答えはしているのに、小野の文観ひとりは、空うそぶ....