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「王冠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

王冠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ば、如何なる政治的天才も忽《たちま》ち非命に仆《たお》れる外はない。つまり帝王も王冠の為におのずから支配を受けているのである。この故に政治的天才の悲劇は必ず喜劇....
三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
、誰もソロモンにこの歌の意味を尋ねるものはなかった。ソロモンはやっと歌い終ると、王冠を頂いた頭を垂れ、暫くはじっと目を閉じていた。それから、――それから急に笑顔....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
て、その時ならぬ豪奢な光輝が、思わず三人の眼を動かなくしてしまった。それは二本の王冠ピンだった。そして、その上に、一つには紅玉一つにはアレキサンドライトが、それ....
火星兵団」より 著者:海野十三
蟻田博士は、そう言って、うしろにつづく先生と千二に、注意した。 階段の下には、王冠をかぶり、黄金でこしらえたうすいころもを着た、りっぱな火星人が立っていて、博....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ろえた。とそこへ、たくみにガウンを捌いてくる※たけた一人の婦人。みれば、頭上には王冠を戴いている。 「失礼でございますが」 と、式部官の一人が恭々しく訊ねたの....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
で二つに分け、それが金の波を打つ二つの河になって両方の顳※に流れているところは、王冠をいただく女王のように見えました。額は透き通った青みのある白さで、二つのアー....
小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
わたくしは、陛下のおかんむりよりは、もっと陛下のお心がすきでございます。もっとも王冠王冠で、またべつに、なにか神聖とでも申したいにおいが、いたさないでもござい....
旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
した朝着のすがたに、縫いとりした上ぐつをはいた王さまが、出ておいでになりました。王冠をあたまにのせて、王しゃくを片手にもって、王さまのしるしの地球儀の珠を、もう....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
からは、液体の宝玉がしずくのように滴り落ちている。 それは、女の乳房を、豪奢な王冠に変えたかのようで、中央の乳首には、夜光虫が巨大な金剛石となって輝き、ぐるり....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
。部下達の翳ざす燈火の光で、その風采が鮮かに見える。丸龍を刺繍した支那服を纒い、王冠を頭に戴いている。小肥りの体にやや低い身長。鋭い眼光に締まった口。ああそれは....
ローマ法王と外交」より 著者:国枝史郎
徒を退けよ」と云い、次に外套を取って王の肩へかけ、つづいて杖と笏とを与え、最後に王冠を王の頭上に置いて聖油を注ぎ、即位の大典をリードした。 こうして先ずオット....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
と片手を高く差し上げ)、この諸々の喜怒哀楽が、霧に包まれた宝玉のように、水の中の王冠のように、煙の中の城のように、おぼろげに諸君の眼に映る時、諸君は無理の解釈を....
世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
か、人格というか、人間が出来ているということ、それが根本での働きをして欧米唯一の王冠を得たものと思う。 日本の料理界を見るとき庖丁を持たせば、達者に使える者は....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
巧緻な組織を計量することはじつにむずかしい。たしかにそうしたものの実例の一つに、王冠をかぶった一人がここにいる。――たしかにこれ以上複雑怪奇な姿は、かつてこの地....
革命の研究」より 著者:大杉栄
の奥から呼び寄せられ指揮されていた外国軍の侵入によって、初めて彼等は、フランスは王冠を戴いた操り人形がなくなってもすむということを考えるようになったのだ。 坊....