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「珍しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

珍しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
数日以来、門の内へはいるが早いか、忽《たちま》ち妙な臭気を感じた。それは老人には珍しい肺結核の床に就《つ》いている玄鶴の息の匂《におい》だった。が、勿論《もちろ....
報恩記」より 著者:芥川竜之介
、盗人だと申すのでございます。盗人が盗人を捉《とら》えようとした、――このくらい珍しい事はございますまい。今度は甚内よりもわたしの顔に、自然と苦笑が浮びました。....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
かきた》てました。 二十 「何、摩利《まり》の教。それはまた珍しい教があるものじゃ。」 何か御考えに耽っていらしった若殿様は、思い出したよ....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ばあの仏蘭西窓の外を塞《ふさ》いで、時々大きな白帆が通りすぎるのも、何となくもの珍しい心もちで眺めた覚えがありましたっけ。 「三浦は贅沢《ぜいたく》な暮しをして....
河童」より 著者:芥川竜之介
せたまま。…… 一五 それからかれこれ一週間の後、僕はふと医者のチャックに珍しい話を聞きました。というのはあのトックの家《うち》に幽霊の出るという話なので....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
やったまま、かすかに頷《うなず》いたばかりだった。それは勿論どんな画でも、幻燈が珍しい彼女にとっては、興味があったのに違いなかった。しかしそのほかにも画面の景色....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
リイ》を擲《なぐ》ったりしていた。それは長江を遡《さかのぼ》って来た僕には決して珍しい見ものではなかった。けれども亦格別見慣れたことを長江に感謝したい見ものでも....
年末の一日」より 著者:芥川竜之介
でいた。どちらも薄い苔《こけ》の生えた石の色に近い水鳥だった。僕は格別その水鳥に珍しい感じは持たなかった。が、余り翼などの鮮かに見えるのは無気味だった。―― ....
日光小品」より 著者:芥川竜之介
らよごれた青い毛布やらが、薄い日の光に干してある。そのかき根について、ここらには珍しいコスモスが紅や白の花をつけたのに、片目のつぶれた黒犬がものうそうにその下に....
仙人」より 著者:芥川竜之介
「ははあ、何御商売かな。」 「鼠を使って、芝居をさせるのです。」 「それはまたお珍しい。」 こんな具合で、二人の間には、少しずつ、会話が、交換されるようになっ....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
する大気都姫《おおけつひめ》が、安らかな寝息を立てていた。これは勿論彼にとって、珍しい事でも何でもなかった。が、その姿に眼をやると、彼女の顔は不思議にも、眉目《....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
す》や醤油《しょうゆ》は都ほど、味が好《よ》いとは思われません。が、その御馳走の珍しい事は、汁、鱠《なます》、煮《に》つけ、果物、――名さえ確かに知っているのは....
三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
いた。 シバの女王は美人ではなかった。のみならず彼よりも年をとっていた。しかし珍しい才女だった。ソロモンはかの女と問答をするたびに彼の心の飛躍するのを感じた。....
追憶」より 著者:芥川竜之介
て活動写真を見たのは五つか六つの時だったであろう。僕は確か父といっしょにそういう珍しいものを見物した大川端の二州楼へ行った。活動写真は今のように大きい幕に映るの....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
倉」の中へも遊びに行った。そこは前にもいったように雑木林や竹やぶのある、町中には珍しい野原だったのみならず古い橋のかかった掘割さえ大川に通じていた。僕は時々空気....