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珍奇
「珍奇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
珍奇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生きている腸」より 著者:海野十三
ル氏液内の生態 生きている腸《はらわた》――なんてものは、文献の上では、さまで
珍奇なものではなかった。 生理学の教科書を見れば、リンゲル氏液の中で生きている....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
せ合うこともあった。そうなると、そのあいだに競争を生ずるのも自然の道理で、なにか
珍奇の品を持ち出して他人を驚かせようと企てるようにもなる。結局は普通の絵馬屋で売....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
存する小なるものの偉大を見のがしがちである。一般の西洋人は、茶の湯を見て、東洋の
珍奇、稚気をなしている千百の奇癖のまたの例に過ぎないと思って、袖の下で笑っている....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
合を設けたり、アメリカへ輸出を試みたりした。進歩的の金魚商は特に異種の交媒による
珍奇な新魚を得て観賞需要の拡張を図ろうとした。都下砂村の有名な金魚飼育商の秋山が....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
くれたのは、われわれに取って一種の福音であった。勿論、ありふれた物ばかりで、別に
珍奇の書は見いだされなかったが、それらの書物を自分の座右に備え付けて置かれるとい....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
類書目的の普通目録であるが、恁ういう交通の少ない国の書目は最も普通のものでも猶お
珍奇とするに足る。 其他各国大学又は図書館協会或は学会等、及びクワーリッチ、ヒ....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ためである。 ふたりが天窓まで這っていってなかを覗くと、ほの暗い電灯のなかに、
珍奇な仏像や、奇怪な大時計や、古めかしい鎧など、さまざまな骨董品が、ところせまき....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
したわけではなく、指をくわえて待ちくたびれている兵員たちに、すこしでも早く、この
珍奇な飛行島の様子を知らせてやろうという友達思いの心からだった。 「おい、早く飛....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
なった。そこでまた恍惚として思いを馳せるのであった―― 「どんな御馳走だろうな。
珍奇な物でも差支えない。豚のロースの葛掛や粉海老の海参じゃあんまり平凡だ。乃公は....
「月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
下して、その大風呂敷を拡げると、中から出たのはいずれも地球上でいまだ見た事もない
珍奇な物ばかりだ。修繕方の三人が驚いて見ていると、博士は得意気にまず、珍妙な形を....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
老翁は真堀洞斎と云い、京の医師という事。それが数年前からこちらへ来て、黒姫山中に
珍奇の薬草を採集する目的で、老体ながら人手を借りず、自ら不思議な住居を建て、隙さ....
「迷信解」より 著者:井上円了
しておきたいと思う。 尋常の『修身書』に出ておる、武士が瓢箪を切りたる話は、『
珍奇物語』と題する書中に出ておる。また、祈祷者が神酒徳利に鰍をいれたる話は、『閑....
「読書雑感」より 著者:岡本綺堂
してくれたのは、我々に取って一種の福音であった。勿論、ありふれた物ばかりで、別に
珍奇の書は見出されなかったが、それらの書物を自分の座右に備え付けておかれるという....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
訪問し、その所蔵の日本古画、古器物を一覧す。総計数千点あるべく、いずれもすこぶる
珍奇なり。 十二日、晴れ。午後六時、公使館を辞し、バルパライソに向け発車するに....
「笑わない娘」より 著者:小川未明
石をごらんになれば、こおどりしてお喜びなさるにちがいありません。それほど美しい、
珍奇なものばかりです。」と、箱を前に置いていいました。 両親は、娘さえ喜んで、....