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「珍聞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

珍聞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
氷蔵の二階」より 著者:宮本百合子
た風で、彼女は、曖昧な、どうでも変化させられる薄笑いを泛べながら訊いた。 「――珍聞があった?――……私の噂してたでしょう」 房は、穏に、真面目に云った。 「....
涙香・ポー・それから」より 著者:夢野久作
尋常科三四年頃、小国民とか、少年園とかいう雑誌があった。科学めいた怪奇談や、世界珍聞集みたようなものが載っておりましたが、これも探偵趣味の芽生えを培ったに違いあ....
父杉山茂丸を語る」より 著者:夢野久作
に手足の生えた漫画を表紙にした雑誌を拡げて頻りに説明していた。 「この雑誌は丸々珍聞という悪い雑誌ですが、私の悪口が盛んに掲載されるのでこの頃は皆、茂丸珍聞と呼....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
。其通りに雑誌も亦一つのビジネスであるが、二十五年前には僅に「経済雑誌」、「団々珍聞」等二三の重なる雑誌でさえが其執筆者又は寄書家に相当の報酬を支払うだけの経済....
読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
をそそった、その惰性が今日まで消えないで残っているのは恐ろしいものである。「団々珍聞」という「ポンチ」のまねをしたもののあったのもそのころである。月給鳥という鳥....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
流しているが、なにしろ辺土のことだから、そう七兵衛の耳を惹《ひ》くようなすぐれた珍聞もない。無意識に人の頭数を数えてみると、ざっと七十ばかりはある。婆さん連のは....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
だいい思案は浮ばないけれども。 それから、この近日うちに、私は種痘いたします、珍聞でしょう? 余り天然痘が出ているから。そして市内の各方面からのひとの中に一定....
紫大納言」より 著者:坂口安吾
天女に偽はございませぬ」 「隠れ蓑の大納言とは聞き及びましたが、空飛びの大納言は珍聞です」と、大納言はにやにやした。「すらりとしたあなたならばいざ知らず、猪のよ....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
あってもなくとも、かまいやしない。 文学者の自殺ということは、社会問題としては珍聞であるかも知れぬが、文学者仲間の話題としては、そうかい、太宰は死んだかい、お....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
に化かされて何百貫の大石を芝山内へ持ちこんだそうだぜ」 と評判がたった。やがて珍聞の記事にもでた。そのときはもう女相撲の一行はこの土地をひきあげていた。そして....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
く、仏教においても同然で、今日《こんにち》もなお解《と》き難《がた》き句あれば「珍聞漢《ちんぷんかん》」とか、あるいは「お経《きょう》の様《よう》」なりという。....
南国太平記」より 著者:直木三十五
。 「それでは、これにて――」 勝が、膝を動かすと 「暫く――この状に、何んな珍聞があろうも知れん。又、イギリス船が、来襲したとか――」 と、云いつつ、封を....
双面獣」より 著者:牧逸馬
田舎に昂奮の絶頂が襲来して、人の心が銘めい出鱈目に突っ走っている際だから、色んな珍聞が飛び出して来るのは無理もないが、斯うなると、青年補祭ロスリッジ君も仲なか負....
私本太平記」より 著者:吉川英治
東国|下野では、かかる愚戦は聞いたこともおざらん。いやはや、都へ来ると、いろんな珍聞を耳にいたす」 そこで、客が言った。 「もし、御辺なら?」 「この首をやる....
山の人生」より 著者:柳田国男
今でも山人の出現が他に比べては著しく頻繁であり、現にこの記事以後にも、いろいろの珍聞が伝えられているのである。八田知紀翁の『霧島山幽界真語』の終りに、次のような....