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現に
「現に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
現にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
禹王廟《うおうびょう》にある石の鼎《かなえ》さえ枉《ま》げると云うのですからな。
現に今日の戦《いくさ》でもです。私《わたし》は一時命はないものだと思いました。李....
「影」より 著者:芥川竜之介
かない窓だけが、ぼんやり明《あか》るんで見えるのは、月が出ているからに違いない。
現にその光を浴びた房子は、独り窓の側に佇《たたず》みながら、眼の下の松林を眺めて....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
たかも知れませんが、それでもなお、どこか浮世絵じみた美しさが残っていたものです。
現にその日も万八《まんぱち》の下を大川筋へ出て見ますと、大きく墨をなすったような....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
、親しみ易いところがある。のみならず信徒も近頃では、何万かを数えるほどになった。
現にこの首府のまん中にも、こう云う寺院が聳《そび》えている。して見ればここに住ん....
「河童」より 著者:芥川竜之介
童《かっぱ》ではない、人間であるという特権のために働かずに食っていられるのです。
現にバッグの話によれば、ある若い道路|工夫《こうふ》などはやはり偶然この国へ来た....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
さき》あたりの村々には、時々日の暮の光と一しょに、天使や聖徒の見舞う事があった。
現にあのさん・じょあん・ばちすたさえ、一度などは浦上《うらかみ》の宗徒《しゅうと....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
じた。何か失望に似たものを、――それさえ痛切には感じた訣《わけ》ではない。保吉は
現に売店の猫が二三日行くえを晦《くら》ました時にも、全然変りのない寂しさを感じた....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
。いや、恐らくは太刀山も一籌《いっちゅう》を輸《ゆ》するくらいだったのでしょう。
現に同じ宿《やど》の客の一人、――「な」の字さんと言う(これは国木田独歩《くにき....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
しじょう》には、前代未聞《ぜんだいみもん》だと云う恐慌《きょうこう》が来ている。
現に賢造の店などでも、かなり手広くやっていた、ある大阪の同業者が突然破産したため....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
家である。家の修覆《しゅうふく》さえ全《まった》ければ、主人の病もまた退き易い。
現にカテキスタのフヮビアンなどはそのために十字架《じゅうじか》を拝するようになっ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
《へ》ている。第三に脚は腐っている。そんな莫迦《ばか》げたことのあるはずはない。
現に彼の脚はこの通り、――彼は脚を早めるが早いか、思わずあっと大声を出した。大声....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
られたんだ。」
海にはこの数日来、俄《にわか》に水母が殖《ふ》えたらしかった。
現に僕もおとといの朝、左の肩から上膊《じょうはく》へかけてずっと針の痕《あと》を....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
声なのです。 もうこうなってはいくら我慢しても、睡らずにいることは出来ません。
現に目の前の香炉の火や、印度人の婆さんの姿でさえ、気味の悪い夢が薄れるように、見....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
題でもこっちの身になって考えないと云う事を、内々自慢にしているような時さえある。
現に今日まで度々自分は自分よりも自分の身になって、菊池に自分の問題を考えて貰った....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
いものだった。それにその手紙は比較的新らしいもので、今でもちょいちょい会っている
現に生きている人たちから来たものであった。また、そんな人間の存在は私の心をほとん....