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現実性
「現実性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
現実性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
いう存在様態において、「媚態」は、武士道の理想主義に基づく「意気地」と、仏教の非
現実性を背景とする「諦め」とによって、存在完成にまで限定されるのである。それ故に....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
果、あのようなことになったのであろうというのである。この説は、四種類の答案中最も
現実性を帯びているために、日と共に有力となっていった。と同時に、世界に第二の原子....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
反して俳優の扮装はいくらまちがっていてもそれは実在であるから我々はともするとその
現実性にだまされて「うむ、このほうがいいかな」と思ってしまうのである。 ○仕事の....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
魚は、G氏が頭の中に描くところの夢の魚ではなかった。交媒を重ねるにつれ、だんだん
現実性を備えて来た。しかし、そのうちG氏の頭の方が早くも夢幻化して行った。彼は財....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
、皆あらゆる古き画風と技法の卒業者であり、また、彼らの絵には不思議に強き立体感と
現実性を備えている事である。この
現実性の強き存在と、その不思議なる立体感なき心の....
「リギ山上の一夜」より 著者:斎藤茂吉
ったが、今も僕は Rigi 山上にあってそれらの絵を思いおこし、その写象は一種の
現実性を帯びて僕の眉間にあらわれるのであった。けれども僕はそういう静かな愛と神秘....
「青春論」より 著者:坂口安吾
誰しも自分一人の然し実在しない恋人を持っているのだ。この人間の精神の悲しむべき非
現実性と、現実の家庭生活や恋愛生活との開きを、なんとかして合理化しようとする人が....
「戦争論」より 著者:坂口安吾
るのである。 元来、共産主義の如くに、理想を知って、現実を知らず、その自らの反
現実性に批判精神の欠如せるものは、専政、ファッショの徒に外ならぬのである。 敗....
「インテリの感傷」より 著者:坂口安吾
第一党にふくれあがらせ、政権をとらせてみたい。そうすれば、共産党のバカラシサ、非
現実性は、すぐバクロする。政治が、民衆のものとなり、現実のものとなるのは、それか....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
も、――当日モンセーニュールの邸宅に伺候した貴顕縉紳の間にあっては、少くとも最も
現実性に富んだ人物であった。 なぜなら、その室にいる者たちは、見た目には美しく....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
人々には日常生活上のナマナマしいツナガリがある。コマッチャクレた女学生はそういう
現実性を大人のものと考え、宝塚は子供ッぽくて夢のようでバカバカしいと考える。 ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
も段々うすれて行って白隠の慧鶴が清水禅叢にあって人生問題に悩み、神経衰弱になり、
現実性の薄い恋愛をし、美濃の馬翁のもとへ奔る時分には、その煙さえ全く絶えてしまっ....
「囚われたる現文壇」より 著者:小川未明
自覚の上に起っていさえするものであったなら、それは立派な人間性の現われでありまた
現実性を持ったものであると言って差支えない。文芸ばかりでなく、絵画に於てもそうで....
「新童話論」より 著者:小川未明
い夢でなければなりません。 童話は、空想的産物なるが故にそれだけ現実と共闘し、
現実性を帯びなければならぬ筈なるに、これまでの作家は、童話はお伽噺であり、お伽噺....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
および友邦)実力が欧米覇道主義の暴力を制圧し得る範囲に求めねばならぬ。東亜連盟の
現実性はそこにある。爾後東亜諸民族により時代精神が充分理解せられ、かつ我が実力の....